FutureNet MA-E120 はフリースケール・セミコンダクタ社の高性能ネットワーキングプロセッサ「MPC8313E」を搭載したLinux プラットフォーム製品です。2つのギガビットイーサネットインタフェースとモバイル通信用インタフェースを備え、ルータ機能をベースとした特定サービス専用ルータ、アプリケーション・ゲートウェイ、ネットワーク監視ボックス、遠隔監視システムの拠点側サーバなどとして利用できます。

FutureNet MAシリーズはファンレス、 小型のLinuxアプライアンスサーバです。

開発キット（SDK）を利用して、オープンソースソフトウェアやお客様アプリケーションによるアプライアンス化が可能です。開発キット（SDK）はセルフ開発環境とクロス開発環境を標準で提供しています。ユーザランドアプリケーションの作成やそれを組み込んだファームウェアイメージの作成ができます。また、MAシリーズのLinux環境はオープンなソフトウェアで構成しています。そのためお客様によるデバイスドライバやライブラリの開発・テスト期間が短縮できます。MAシリーズには2つのシリーズをラインナップしています。

MA-E200シリーズはオプションボードの追加により様々なインタフェースに対応できます。

MA-E120シリーズは高性能ネットワークプロセッサの搭載やギガビットイーサネット対応によりネットワーク機能を大幅に強化しています。遠隔監視システムの拠点側データ収集装置兼通信装置、通信機能付き認証用端末、デジタルサイネージ端末、ルータ機能をベースとした特定サービス専用ルータなどとして幅広く利用できます。

●MA-E200シリーズのカスタマイズイメージ

●FutureNet MAシリーズのソフトウェア

通常のLinux ディストリビューションがコマンドからウィンドウシステム、ネットワーク機能などを含むシステムのオペレーション環境全体を提供するのに対し、MAシリーズのソフトウェアは、ネットワークデバイスとして、あるいはサーバ機能を提供するベースとして最低限必要なプログラムだけを収めたLinux のサブセットとなっており、ウィンドウシステムのためのソフトウェアは含まれません。シェルとしてはbash が利用でき、システムの起動に必要なコマンドや基本的なファイル操作のためのコマンドを提供します。

●開発キット（SDK）

セルフ開発環境としてはNFSルートファイルシステムを提供します。Linuxが動作するPCにNFSルートファイルシステムを構築するほか、SDカード用のルートファイルシステムとしても使用できます。セルフ開発環境を利用するとユーザランドアプリケーションを開発することができます。

クロス開発環境としては必要なツール類をインストールしたLinux（Gentoo Linux）のVMware仮想マシンイメージ、カーネルソース、ビルドキットを提供します。クロス開発環境を利用するとFLASHメモリに格納するファームウェアイメージを作成することができ、セルフ開発環境で作成したユーザランドアプリケーションを、このルートファイルシステムに組み込んだファームウェアを作成することができます。ユーザランドアプリケーションを開発し、それをファームウェアイメージへ組み込む場合は、VMware 仮想マシン上のLinux にNFS ルートファイルシステムを構築すると効率的に開発を行うことができます。