FutureNet FL-PCI/V2 は、次世代のFA業界標準通信プロトコル「FL-net」に対応した製品で、FL-netによって接続されたさまざまなベンダの機器をPC上で参照・制御するための、高性能PCIボードです。
Windows上からFL-netの状態管理、メッセージ送受信を容易に実現するソースコードを公開したサンプルプログラムも用意されています。

FutureNet FL-PCI/V2はボード上にあるCPUと専用ファームウェアによりFL-netプロトコルを処理します。
これによりトークン送出、メッセージ送出に遅延が非常に少なくなり応答性能1.56msを安定して実現します。

●専用プロセッサである理由

FutureNet FL-PCI/V2はPCIボード上で全てのFL-net処理を行います。ホスト側（パソコン）ではFL-net処理が不要となる設計を行っていますが、これは以下の理由によるものです。

■リアルタイム性の保証
最大の理由はホスト側(パソコン)でFL-netを処理させてしまうとリアルタイム性が保証出来なくなる事です。これはホスト側のCPUクロックが数GHｚあったとしてもOSやその他デバイスの割込発生によりリアルタイム性は保証されません。
例えば、PC側でログ情報をディスクに書き込む、バックグラウンドでウイルススキャンが実行される、等々でソフトウェアFL-netの処理が追いつかなくなる事例が見受けられます。
センチュリー・システムズのFL-PCI/V2は独立したプロセッサにより処理を行うためホスト側の負荷に依存せず、安定した処理を行います。

■抜群の安定性
センチュリー・システムズは1998年の旧通産省管轄の(財)製造科学技術センター(MSTC)が開発・標準化を進めていた段階より参加しており、MSTC相互接続試験の場にて各社実装のFL-netと持ち合い接続実験で優れた応答性能を証明することが出来ました。
それ以降、現在に至るまで大手PLCメーカを含む7社にプロトコルをライセンスし、様々なアーキテクチャにFL-netの実装を行っております。弊社のプロトコルは長きにわたる稼働実績と安定性に支えられています。

●安定/高速なFL-net処理

FutureNet FL-PCI/V2のソフトウェアは組込OS等を使用しておりません。これは高速性並びにFL-netプロトコルの特性を考えています。トークンを受け取ってから処理し、送信を行うためタイマ割り込みやディスパッチャーの影響を受けないよう実装されています。開発に時間を要しましたが、この作り込みをしっかり行った事により安定・高速・リアルタイム性が確保されました。

●アプリケーション・レイヤとの切り離し

FL-netプロトコル処理は全て本ボード上で処理されるためアプリケーション・レイヤとは切り離されています。このためPC上の様々なアプリケーション(Oracle等のデータベース、管理アプリケーションなど）の処理影響を受けず安定した動作を誇ります。通常FL-netプロトコルをソフトウェアで実装すると前述のような負荷が発生した場合、プロセススケジュールや高プライオリティによる割り込みの影響等で自身がノード離脱などを起こす可能性があります。

●各OS/FL-netプロトコル/アプリケーションサポート

FutureNet FL-PCI/V2はFL-net Ver.1.00/2.00に対応（FL-net(OPCN-2) Ver1.00/2.00認証取得）し、ボード上のファームウェアを入れ替えることにより簡単に切り替えることが出来ます。
またデバイスドライバはWindows NT/2000/XPに対応し、VisualC++,VisualBasicに対応したDLL及びソースコードを公開したサンプルプログラムが提供されます。DLLはマルチプロセスに対応し、より高機能なアプリケーション構築が可能です。

【付属のサンプルプログラムを起動した例】

なお特別版パッケージとしてLinux用ソフトウェアも販売しております。
Linux 2.2.x及び2.4.xに対応したデバイスドライバ/ドキュメント/サンプルプログラムが提供されます。

※　Linux対応版については、弊社営業部にお問い合わせ下さい。