携帯電話事業者が提供する3.5Gのデータ通信サービスは実効速度で1Mbpsを超え、価格も定額制プラン等の登場により、小規模のネットワークではインターネット接続の主回線としても利用できるようになりました。FutureNet XR-430は、3.5Gに対応したCFカードタイプのデータ通信端末およびUSBタイプのデータ通信端末を利用して、インターネット接続を実現するビジネス向けVPNルータです。
VPNルータとしては発売以来多くの運用実績を持つ FutureNet XRシリーズの機能を引き継いでいます。強力なIPsec、パケットフィルタ、WEB認証、L2TPv3、GRE、VRRPといった機能はXRシリーズの他の機種と同様に利用できます。それに加えて3.5Gによるモバイル通信を可能にしたのがFutureNet XR-430です。
FutureNet XR-430は複数の3.5Gデータ通信端末に対応しており、メイン/バックアップ等で2つのモバイル接続を利用できます。さらに、有線のブロードバンド接続との組み合わせも可能なため、幅広いネットワーク構成が実現できます。モバイル接続を他の通信事業者のモバイル接続でバックアップしたり、有線のインターネット接続をモバイル接続でバックアップするといった使い方が可能です。拠点の状況に応じて有線接続とモバイル接続を柔軟に組み合わせ、低コストで安定したネットワークを実現できます。

●NGNへの対応

FutureNet XR-430はNTT東日本、NTT西日本がNGNを利用した商用サービスとして提供する「フレッツ 光ネクスト」と、同サービスを利用した低コスト型のIP-VPNサービスである「フレッツ・VPNワイド」に対応しています。
NTT東日本フレッツ 光ネクスト対応状況一覧表ホームページ

●携帯電話事業各社のデータ通信サービスに対応

FutureNet XR-430はCFカードタイプのデータ通信端末とUSBタイプのデータ通信端末の両方に対応しています。
データ通信端末は同時に2つ利用できます。

●安定した通信環境を実現

FutureNet XR-430のハードウェアは省電力、ファンレス設計で高い信頼性を備えています。ネットワーク接続については、PPPoEキープアライブ機能による回線 の維持や、モバイル接続どうし、もしくはモバイル接続とイーサネット（PPPoE）での回線のバックアップ（二重化）が可能です。IPのレベルでは VRRPやOSPF、フローティングスタティックルートによる冗長化をサポートしています。さらに、VPNについてはIPsecキープアライブ機能によるIPsec接続の維持や、IPsecの二重化機能、L2TPv3のセッション二重化が可能です。これらの機能を組み合わせることで、低いコストでネットワークのダウンタイムを最小化できます。

●VPNルータとしての強力な機能

FutureNet XR-430は企業ネットワークに求められる高度な要求に対応したVPNルータです。レイヤ3のVPNはIPsecを利用します。固定IPアドレスはもちろん片側が動的IPアドレスでもIPsecを確立できます。レイヤ2のVPNとしてL2TPv3機能を搭載しています。ブロードバンドアクセスサービスを利用してIP網をレイヤ2でトンネリングすることにより、遠隔地の事業所をレイヤ2で接続できます。そのため、複雑なネットワーク設計が必要なく、運用管理の負担が大幅に削減できます。IPsec機能と組み合わせればレイヤ2トンネルの暗号化も可能です。セキュリティについてはパケットフィルタ機能に加え、LAN（またはWAN）側ネットワークからWAN（またはLAN）側ネットワークにアクセスするユーザをIDとパスワードで認証するWEB認証機能を備えています。LAN→WAN方向でこの機能を利用すると、例えば共用スペースに設けたスポットオフィスではPPPoEマルチセッション機能と併用して、「インターネット接続サービスはすべてのユーザが利用」、「自社のイントラネットへはルータで認証されたユーザのみがアクセス」、といったサービスを本装置だけで実現できます。また、WAN→LAN方向で利用すると、VPNで接続したセンターから拠点へ向かうアクセスをユーザ認証で保護することが可能です。

●充実した運用管理機能と企業向け仕様

XRシリーズは全ての機種で統一されたGUIにより設定を行うことができます。詳細な機能設定も複雑なコマンド操作なしでおこなえます。運用性にも優れており、SYSLOGによる運用ログの収集やSNMPによる遠隔監視に対応しています。また、モバイルデータ通信端末の電波状態表示やPing、traceroute、パケットキャプチャなどの診断機能を備えています。パケットキャプチャしたデータはWireshark（旧Ethereal）等のpcap形式に対応したソフトウェアで見ることができます。さらに、遠隔からのファームウェア更新機能やテキストファイルによる一括設定機能など、企業での利用に求められる高い運用性を備えています。