FutureNet AS-250/F-KO はFOMA網を利用してワイヤレスWANを実現する小型通信装置です。
CPUには高性能と省電力を両立したフリースケール・セミコンダクタ社製Kinetis K70 120MHz（ARM Cortex-M4）を採用し、ファンレス化、小型化を実現しています。動作温度範囲も-20℃・0℃と広いため、屋外への設置を含め幅広い用途での利用が可能です。

LAN側には4ポートのスイッチングハブを搭載します。また、外部装置との接続用としてRS-232、デジタルIOのインタフェースを備え、LAN以外の装置の情報も直接モバイルデータ通信で送受信できます。

WAN接続用としてFOMA通信モジュール「UM03-KO」を内蔵しています。有線のインターネット接続環境が利用できない場所にある機器も、FOMA通信のエリア内であれば、回線工事不要で簡単にネットワーク接続環境の配備や移設、遠隔監視が始められます。
内蔵タイプの通信モジュールは運用中に外れる心配がありません。また、外部アンテナを利用することで装置や設備に組み込んでも電波状態を良好に保てるため、安定したモバイル接続環境を維持できます。

AS-250/F-KOはNTTドコモが提供する閉域網サービス「ビジネスmoperaアクセスプレミアム」にも対応しています。IP着信機能を利用すると、センター側から閉域網内のローカルなIPアドレスを指定してAS-250/F-KOを呼び出すことが可能です。
また、インターネット接続を利用する場合もSMSを使ってセンター側からのPPP接続/切断の制御やデジタルIOの監視/制御がおこなえます。これらの機能により、拠点側からのデータ送信だけでなく、センターを起点としたデータの収集や機器の監視/制御も簡単に実現できます。

【FutureNet AS-250 シリーズの基本的な利用イメージ】

●ビジネスmoperaアクセスプレミアムに対応

NTTドコモが提供する閉域網サービス「ビジネスmoperaアクセスプレミアムFOMAタイプ」およびそのIP着信機能に対応しています。IP着信機能を利用すると、センター側から閉域網内のローカルなIPアドレスを指定してAS-250/F-KOに接続できます。これにより、センターが主体となってAS-250/F-KOに接続された機器や配下のネットワーク装置を遠隔監視、制御できます。

●モバイル通信でLAN間接続を実現

有線のインターネット接続環境が利用できない場所にある機器も、FOMAの通信エリア内であればAS-250/F-KOを利用して簡単に遠隔監視を始められます。
AS-250/F-KOでは「受信時 7.2Mbps/送信時 5.7Mbps(最大)」の通信性能を備えます。
内蔵通信モジュールは運用中に外れる心配がない上、外部アンテナを利用することにより、装置や設備に組み込んでも電波状態を良好に保つことができるので安定したLAN間接続を実現できます。

●SMSによるルータ制御「SMSリモートコマンド」

SMS（ショートメッセージサービス）でコマンドを送信することにより、本装置に対してPPP接続/切断の制御や、デジタル接点入出力DIOの制御を行うことができます。

例えば、センターから拠点（AS-250側）に接続したいときにセンターの携帯電話等から該当するAS-250の電話番号にショートメッセージを送ることで即座にインターネットへの接続を開始させることができますので、閉域網サービス（および専用線接続）を利用するより安価にセンター起動によるネットワークアクセスを実現できます。

●モバイル月間通信料通知機能

月ごとに、モバイル通信の通信量をSMS、E-mailで通知することができます。
またあらかじめ閾値を設定し、月間通信料が閾値を超えた場合にもSMS、E-mailで通知することができます。

●活用の用途を広げる接点入出力

接点入力は省電力動作モードの待機状態からの復帰および、メール送信のトリガーとして利用できます。
ソーラーバッテリーの容量低下時に警報メールを送信したり、充電回復をメールで通知するなどの用途に利用できます。また、たとえばネットワークカメラの接点と連動させて画像アップロードと同時にメールでセンターに通知するといった構成が可能です。

接点出力はAS-250といっしょに利用する外部装置の電源のON/OFF制御などに利用できます。
また接点出力はSMSにより外部から制御することも可能です。
これにより、AS-250だけでなく周辺の装置を含めたシステム全体の省電力化を実現できます。

●シリアルポートサーバ機能

AS-250はセンターからのTCP接続を受け、受信する電文をRS-232ポートに接続する機器に送信する機能を備えます。またRS-232ポートで受信した電文はTCPパケットに変換してセンターに送信します。
また、TCPクライアントとして動作するモードを利用すると、シリアルポートでデータを受け取ったタイミングで接続を開始し、そのままサーバにデータを送信できます。
これらの機能によりモバイル網経由でRS-232装置のデータ収集や制御がおこなえます。

また、弊社が提供する「WinComリダイレクター」を利用することで新規のソケットアプリケーションの開発無しにお客様で利用しているWindows PC用のCOMアプリケーションをそのまま携帯無線環境で利用することができます。

なお、シリアルポートは標準でRS-232に対応しており、実装オプションとしてRS-485インタフェースにも対応します。RS-485は全二重/半二重、終端の有無を本体のディップスイッチで切り替える事ができます。
また、マルチドロップの通信にも対応します。

●低消費電力、高性能、高信頼性

AS-250シリーズはリアルタイムOSをベースとしています。電源投入時でも数秒以内で通信可能な状態になるため必要な時だけ電源を入れて使う用途に適しています。

またソーラー電源などの独立電源を利用したシステムへの組み込みに対応できるよう「省電力動作モード」を備えています。省電力動作モードでは、待機時の消費電力を0.72Wに抑えることができます。
通常の動作時でも省電力CPUや電源回路の最適化により、約4.8Wという低消費電力を実現しています。

ファンレスで動作するとともに高信頼性を確保し、24時間365日の常時稼働が可能、周囲温度も-20℃～50℃の範囲で利用することができます。

●強力なネットワーク機能

AS-250シリーズはルータとしてスタティックルーティングや、複数の機器からの同時アクセスを可能にするNAT/NAPT機能や、LAN側に配置したサーバへのアクセスを可能にする仮想サーバ機能を備えています。
また、当社のダイナミックDNSサービスであるWarpLink DDNSにも対応します。さらに外部からの攻撃や内部からの意図しない接続を防止するパケットフィルタ機能、ネットワーク設計を簡単にするGRE、DHCPサーバなどの機能も搭載しています。