FutureNet

NXR,WXRシリーズ

WANインタフェース編

8. 冗長化設定

8-10. VRRP冗長化構成(メインPPPoE+バックアップモバイル)

この設定例ではVRRPを利用して機器の冗長化を行います。なお、メインルータではPPPoE、バックアップルータではモバイル回線を利用します。そして、メインルータで回線障害などを検知した場合、バックアップルータ経由で通信を継続します。

 

【 構成図 】

<正常時>

fnw_wi_redundancy_10-1

<NXR-120(Main)ppp0インタフェースリンクダウン時>

fnw_wi_redundancy_10-2

<NXR-120(Main)ethernet0インタフェースリンクダウン時>

fnw_wi_redundancy_10-3

  • NXR-120/C,NXR-G100/NLでは以下の条件でVRRPを動作させます。
NXR-120/C
(NXR_Main)
NXR-G100/NL
(NXR_Backup)
グループID 1
IPアドレス 192.168.10.254
プライオリティ 254 100
プリエンプト 有効
アドバタイズ間隔(秒) 5
ネットワークイベントによる障害検知後のプライオリティ 50
  • NXR-120/C(以下NXR_Main)ではppp0インタフェースでの障害を検知するためにリンク監視を行い、障害検知後、ネットイベント機能でVRRPの優先度を変更しNXR-G100/NL(以下NXR_Backup)経由で通信を継続します。

 

【 設定データ 】

〔NXR_Mainの設定〕

設定項目 設定内容
ホスト名 NXR_Main
LAN側インタフェース ethernet0のIPアドレス 192.168.10.1/24
IPリダイレクト 無効
VRRP グループ 1
IPアドレス 192.168.10.254
プライオリティ 254
プリエンプト 有効
送信間隔 5秒
ネットイベント No. 1
プライオリティ 50
WAN側インタフェース PPPoEクライアント(ethernet1) ppp0
ppp0のIPアドレス 動的IPアドレス
IPマスカレード 有効
SPIフィルタ 有効
MSS自動調整 オート
ISP接続用ユーザID test1@example.jp
ISP接続用パスワード test1pass
スタティックルート 宛先IPアドレス 0.0.0.0/0
ゲートウェイ(インタフェース) ppp0
トラック No.1 インタフェース ppp0
イニシャルタイムアウト 30秒
DNS サービス 有効
FastFowarding 有効

〔NXR_Backupの設定〕

設定項目 設定内容
ホスト名 NXR_Backup
LAN側インタフェース ethernet0のIPアドレス 192.168.10.2/24
IPリダイレクト 無効
VRRP グループ 1
IPアドレス 192.168.10.254
プライオリティ 100
プリエンプト 有効
送信間隔 5秒
WAN側インタフェース mobile1 ppp0
ppp0のIPアドレス 動的IPアドレス
IPマスカレード 有効
SPIフィルタ 有効
MSS自動調整 オート
PPP接続用ユーザID lte
PPP接続用パスワード lte
APN mopera.net
CID 1
PDPタイプ IP
発信用電話番号 *99***1#
ダイアルタイムアウト 30秒
スタティックルート 宛先IPアドレス 0.0.0.0/0
ゲートウェイ(インタフェース) ppp0
モバイルエラーリカバリー リセット
モバイルターミネーションリカバリー リセット
DNS サービス 有効

【 設定例 】

〔NXR_Mainの設定〕

nxr120#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr120(config)#hostname NXR_Main
NXR_Main(config)#track 1 interface ppp 0 initial-timeout 30
NXR_Main(config)#interface ethernet 0
NXR_Main(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_Main(config-if)#no ip redirects
NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 priority 254
NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 netevent 1 priority 50
NXR_Main(config-if)#exit
NXR_Main(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
NXR_Main(config)#ppp account username test1@example.jp password test1pass
NXR_Main(config)#interface ppp 0
NXR_Main(config-ppp)#ip address negotiated
NXR_Main(config-ppp)#ip masquerade
NXR_Main(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_Main(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_Main(config-ppp)#ppp username test1@example.jp
NXR_Main(config-ppp)#exit
NXR_Main(config)#interface ethernet 1
NXR_Main(config-if)#no ip address
NXR_Main(config-if)#pppoe-client ppp 0
NXR_Main(config-if)#exit
NXR_Main(config)#dns
NXR_Main(config-dns)#service enable
NXR_Main(config-dns)#exit
NXR_Main(config)#fast-forwarding enable
NXR_Main(config)#exit
NXR_Main#save config

〔NXR_Backupの設定〕

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_Backup
NXR_Backup(config)#interface ethernet 0
NXR_Backup(config-if)#ip address 192.168.10.2/24
NXR_Backup(config-if)#no ip redirects
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 priority 100
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
NXR_Backup(config-if)#exit
NXR_Backup(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
NXR_Backup(config)#ppp account username lte password lte
NXR_Backup(config)#interface ppp 0
NXR_Backup(config-ppp)#ip address negotiated
NXR_Backup(config-ppp)#ip masquerade
NXR_Backup(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_Backup(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_Backup(config-ppp)#ppp username lte
NXR_Backup(config-ppp)#mobile apn mopera.net cid 1 pdp-type ip
NXR_Backup(config-ppp)#dial-up string *99***1#
NXR_Backup(config-ppp)#dial-up timeout 30
NXR_Backup(config-ppp)#exit
NXR_Backup(config)#mobile error-recovery-reset
NXR_Backup(config)#mobile termination-recovery reset
NXR_Backup(config)#mobile 1 ppp 0
NXR_Backup(config)#dns
NXR_Backup(config-dns)#service enable
NXR_Backup(config-dns)#exit
NXR_Backup(config)#exit
NXR_Backup#save config

 

【 設定例解説 】

〔NXR_Mainの設定〕

1. <ホスト名の設定>
nxr120(config)#hostname NXR_Main

ホスト名を設定します。

 

2. <トラック設定(リンク監視)>
NXR_Main(config)#track 1 interface ppp 0 initial-timeout 30

ppp0インタフェースのリンク監視設定をトラックNo.1に登録します。
(☞) インタフェースのリンク監視設定時、初期のトラック状態はイニット(init)で、ppp0インタフェースのリンクアップ後、トラックはアップ状態となります。また、ppp0インタフェースがリンクダウン状態の場合、トラックはダウン状態にはなりません。そのため、設定したタイムアウト時間が経過した場合にトラックをダウン状態にするためイニシャルタイムアウトを設定します。

 

3. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_Main(config)#interface ethernet 0
NXR_Main(config-if)#ip address 192.168.10.1/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

NXR_Main(config-if)#no ip redirects

ICMPリダイレクト機能を無効に設定します。

NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254

VRRPの仮想IPアドレスを設定します。

NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 priority 254

VRRPのプライオリティを設定します。

NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 preempt

VRRPのプリエンプトを有効にします。
(☞) プリエンプトが有効の場合、プライオリティの最も高いルータが常にマスタールータとなります。

NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5

VRRPアドバタイズの送信間隔を設定します。

NXR_Main(config-if)#vrrp ip 1 netevent 1 priority 50

ネットイベントを設定します。
この設定はtrackコマンドで指定した監視方法で障害を検知した場合、検知後NXR,WXRで実行する動作を指定したものです。ここではtrack 1コマンドで指定したppp0インタフェースのリンク監視で障害(リンクダウン)を検知した場合、VRRPのプライオリティを50に変更します。

 

4. <スタティックルート設定>
NXR_Main(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0

デフォルトルートを設定します。

 

5. <PPPアカウント設定>
NXR_Main(config)#ppp account username test1@example.jp password test1pass

ppp0インタフェースで使用するISP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
(☞) ここで設定したアカウントはppp0インタフェースの設定で利用します。

 

6. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
NXR_Main(config)#interface ppp 0
NXR_Main(config-ppp)#ip address negotiated

ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、negotiatedを設定します。

NXR_Main(config-ppp)#ip masquerade
NXR_Main(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_Main(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto

IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。また、TCP MSSの調整機能をオートに設定します。

NXR_Main(config-ppp)#ppp username test1@example.jp

ISP接続用ユーザIDを設定します。

 

7. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_Main(config)#interface ethernet 1
NXR_Main(config-if)#no ip address
NXR_Main(config-if)#pppoe-client ppp 0

PPPoEクライアントとしてppp0インタフェースを使用できるように設定します。

 

8. <DNS設定>
NXR_Main(config)#dns
NXR_Main(config-dns)#service enable

DNSサービスを有効にします。

 

9. <ファストフォワーディングの有効化>
NXR_Main(config)#fast-forwarding enable

ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。

 

〔NXR_Backupの設定〕

1. <ホスト名の設定>
 nxrg100(config)#hostname NXR_Backup

ホスト名を設定します。

 

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_Backup(config)#interface ethernet 0
NXR_Backup(config-if)#ip address 192.168.10.2/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

NXR_Backup(config-if)#no ip redirects

ICMPリダイレクト機能を無効に設定します。

NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 priority 100
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_Backup(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5

VRRPの仮想IPアドレス、プライオリティを設定します。また、プリエンプトを有効にします。
そして、アドバタイズの送信間隔を設定します。

 

3. <スタティックルート設定>
NXR_Backup(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0

デフォルトルートを設定します。

 

4. <PPPアカウント設定>
NXR_Backup(config)#ppp account username lte password lte

ppp0インタフェースで使用するPPP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
(☞) ここで設定したアカウントはppp0インタフェースの設定で利用します。

 

5. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
NXR_Backup(config)#interface ppp 0
NXR_Backup(config-ppp)#ip address negotiated

ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、negotiatedを設定します。

NXR_Backup(config-ppp)#ip masquerade
NXR_Backup(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_Backup(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto

IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。また、TCP MSSの調整機能をオートに設定します。

NXR_Backup(config-ppp)#ppp username lte

PPP接続用ユーザIDを設定します。

NXR_Backup(config-ppp)#mobile apn mopera.net cid 1 pdp-type ip

APN,CID,pdp-typeを設定します。

NXR_Backup(config-ppp)#dial-up string *99***1#
NXR_Backup(config-ppp)#dial-up timeout 30

発信用の電話番号およびダイアルタイムアウトを設定します。

 

6. <モバイルエラーリカバリー設定>
NXR_Backup(config)#mobile error-recovery-reset

通信モジュールとの通信に重大な問題が発生する可能性が高いと判断した場合、通信モジュールのリセットを行うように設定します。

 

7. <モバイルターミネーションリカバリー設定>
NXR_Backup(config)#mobile termination-recovery reset

PPP接続時に網側から切断された場合、通信モジュールのリセットを行うように設定します。

 

8. <モバイル割り当て設定>
NXR_Backup(config)#mobile 1 ppp 0

mobile1と認識されている通信モジュールとppp0インタフェースの関連づけを行います。
通信モジュールをPPPインタフェースで使用する場合は、mobileコマンドによるPPPインタフェースへの関連付けが必要になります。
(☞) mobile1に割り当てられている通信モジュールはshow mobile 1コマンドで確認することができます。

 

9. <DNS設定>
NXR_Backup(config)#dns
NXR_Backup(config-dns)#service enable

DNSサービスを有効にします。

 

【 端末の設定例 】

IPアドレス 192.168.10.100
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.254
DNS サーバ プライマリ 192.168.10.1
セカンダリ 192.168.10.2