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FutureNet
NXR,VXRシリーズ
WANインタフェース編
10. 冗長化設定
10-9. VRRP冗長化構成(メインPPPoE+バックアップモバイル)
この設定例では、メインルータでPPPoE、バックアップルータでモバイル(PPP)回線を利用しつつ、VRRPで機器冗長化を行います。メインルータで障害発生時、バックアップルータで通信を継続します。
【 VRRP機能対応機種 】NXR-1300シリーズ,NXR-650,NXR-610Xシリーズ,NXR-530,NXR-350/C,NXR-230/C,NXR-160/LW,NXR-G180/L-CA,NXR-G200シリーズ,NXR-G110シリーズ,NXR-G100シリーズ,NXR-G050シリーズ,VXRシリーズ(2022/6現在)
設定例で使用している機能の対応状況は、各製品の更新履歴やユーザーズガイドをご確認ください。
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構成図 | 設定例 | 設定例解説 | 端末の設定例 | 付録 |
【 構成図 】
- この例ではメインルータ(以下NXR_A-M),バックアップルータ(以下NXR_A-B)ともにWAN回線のインタフェースをppp0とします。
- この例で使用しているルータは、NXR_A-MがNXR-530、NXR_A-BがNXR-G110/Lです。
〔 正常時 〕
〔 NXR_A-M WAN回線障害時 〕
- NXR_A-MのWAN回線障害時、NXR_A-Mのネットイベント機能でVRRPの優先度を254 -> 50に変更することにより、NXR_A-BがVRRPマスタになります。
(☞) NXR_A-MのWAN回線の障害は、ppp0インタフェースがダウンすることを想定しています。
〔 NXR_A-M LANインタフェース障害時 〕
- NXR_A-MのLANインタフェース障害時、NXR_A-BがVRRPマスタになります。
(☞) NXR_A-MのLANインタフェース障害は、eth0インタフェースがダウンすることを想定しています。
〔 NXR_A-M 機器障害時 〕
- NXR_A-Mの機器障害時、NXR_A-BがVRRPマスタになります。
(☞) NXR_A-Mの機器障害は、機器故障など機器がダウンすることを想定しています。
【 設定例 】
〔 NXR_A-Mの設定 〕
nxr530(config)#hostname NXR_A-M
NXR_A-M(config)#track 1 interface ppp 0 initial-timeout 30
NXR_A-M(config)#interface ethernet 0
NXR_A-M(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A-M(config-if)#no ip redirects
NXR_A-M(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_A-M(config-if)#vrrp ip 1 priority 254
NXR_A-M(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_A-M(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
NXR_A-M(config-if)#vrrp ip 1 netevent 1 priority 50
NXR_A-M(config-if)#exit
NXR_A-M(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
NXR_A-M(config)#ppp account username [ISP接続用ユーザID] password [ISP接続用パスワード]
NXR_A-M(config)#interface ppp 0
NXR_A-M(config-ppp)#ip address negotiated
NXR_A-M(config-ppp)#ip masquerade
NXR_A-M(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_A-M(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_A-M(config-ppp)#ppp username [ISP接続用ユーザID]
NXR_A-M(config-ppp)#exit
NXR_A-M(config)#interface ethernet 1
NXR_A-M(config-if)#no ip address
NXR_A-M(config-if)#pppoe-client ppp 0
NXR_A-M(config-if)#exit
NXR_A-M(config)#dns
NXR_A-M(config-dns)#service enable
NXR_A-M(config-dns)#exit
NXR_A-M(config)#fast-forwarding enable
NXR_A-M(config)#exit
NXR_A-M#save config
〔 NXR_A-Bの設定 〕
nxrg110(config)#hostname NXR_A-B
NXR_A-B(config)#interface ethernet 0
NXR_A-B(config-if)#ip address 192.168.10.2/24
NXR_A-B(config-if)#no ip redirects
NXR_A-B(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_A-B(config-if)#vrrp ip 1 priority 100
NXR_A-B(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_A-B(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
NXR_A-B(config-if)#exit
NXR_A-B(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
NXR_A-B(config)#ppp account username [モバイル(PPP)接続用ユーザID] password [モバイル(PPP)接続用パスワード]
NXR_A-B(config)#interface ppp 0
NXR_A-B(config-ppp)#ip address negotiated
NXR_A-B(config-ppp)#ip masquerade
NXR_A-B(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_A-B(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_A-B(config-ppp)#ppp username [モバイル(PPP)接続用ユーザID]
NXR_A-B(config-ppp)#mobile apn [APN] cid 1 pdp-type ip
NXR_A-B(config-ppp)#dial-up string *99***1#
NXR_A-B(config-ppp)#dial-up timeout 30
NXR_A-B(config-ppp)#exit
NXR_A-B(config)#mobile error-recovery-reset
NXR_A-B(config)#mobile termination-recovery reset
NXR_A-B(config)#mobile 1 ppp 0
NXR_A-B(config)#mobile 1 carrier [キャリア]
NXR_A-B(config)#exit
NXR_A-B#clear mobile 1
NXR_A-B#configure terminal
NXR_A-B(config)#dns
NXR_A-B(config-dns)#service enable
NXR_A-B(config-dns)#exit
NXR_A-B(config)#exit
NXR_A-B#save config
【 設定例解説 】
〔 NXR_A-Mの設定 〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <トラック設定>
以下のルールでトラックを設定します。
- トラック番号 … 1
- 監視方法 … インタフェースリンク監視
- 対象インタフェース … ppp0
- イニシャルタイムアウト … 30秒
(☞) インタフェースリンク監視設定で監視開始直後、リンクダウン状態の場合、トラックステータスはイニット(init)になります(リンクアップ後、トラックステータスはアップに遷移します)。イニシャルタイムアウトを設定することで設定時間経過後、トラックステータスをダウンに遷移することができます。
3. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_A-M(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
ICMPリダイレクトを無効にします。
VRRPの仮想IPアドレスを設定します。
VRRPのプライオリティを設定します。
VRRPのプリエンプトを有効にします。
(☞) プリエンプトが有効の場合、プライオリティの最も高いルータが常にマスタールータとなります。
VRRPアドバタイズの送信間隔を設定します。
トラック設定(インタフェースリンク監視)で障害を検知した場合、VRRPのプライオリティを変更します。
4. <スタティックルート設定>
デフォルトルートを設定します。
5. <PPPアカウント設定>
ISP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
6. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
NXR_A-M(config-ppp)#ip address negotiated
ppp0インタフェースのIPアドレスにnegotiatedを設定します。
NXR_A-M(config-ppp)#ip spi-filter
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効にします。
TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
ISP接続用ユーザIDを設定します。
7. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_A-M(config-if)#no ip address
NXR_A-M(config-if)#pppoe-client ppp 0
PPPoEクライアントにppp0を設定します。
8. <DNS設定>
NXR_A-M(config-dns)#service enable
DNSサービスを有効にします。
9. <ファストフォワーディング設定>
ファストフォワーディングを有効にします。
10. <設定の保存>
設定内容を保存します。
〔 NXR_A-Bの設定 〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_A-B(config-if)#ip address 192.168.10.2/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
ICMPリダイレクトを無効にします。
VRRPの仮想IPアドレスを設定します。
VRRPのプライオリティを設定します。
VRRPのプリエンプトを有効にします。
VRRPアドバタイズの送信間隔を設定します。
3. <スタティックルート設定>
デフォルトルートを設定します。
4. <PPPアカウント設定>
モバイル(PPP)接続用ユーザID,パスワードを設定します。
5. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
NXR_A-B(config-ppp)#ip address negotiated
ppp0インタフェースのIPアドレスにnegotiatedを設定します。
NXR_A-B(config-ppp)#ip spi-filter
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効にします。
TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
モバイル(PPP)接続用ユーザIDを設定します。
APN,CID,PDPタイプを設定します。
発信用の電話番号を設定します。
(☞) 電話番号の#の前の数字はCIDを表しています。
ダイアルタイムアウトを設定します。
6. <モバイルエラーリカバリー設定>
内蔵通信モジュールとの通信に重大な問題が発生する可能性が高いと判断した場合、内蔵通信モジュールのリセットを行うように設定します。
7. <モバイルターミネーションリカバリー設定>
PPP接続時に網側から切断された場合、内蔵通信モジュールのリセットを行うように設定します。
8. <モバイル割り当て設定>
mobile1として認識されている内蔵通信モジュールとppp0インタフェースの関連づけを行います。
内蔵通信モジュールをPPPインタフェースで使用する場合は、mobileコマンドによるPPPインタフェースへの関連付けが必要になります。
(☞) mobile1の情報はshow mobile 1コマンドで確認することができます。
9. <モバイルキャリア設定>
mobile1のキャリアを設定します。
(☞) キャリア設定は「clear mobile 1」コマンドによるモバイルリセットを行うことで反映されます。
10. <DNS設定>
NXR_A-B(config-dns)#service enable
DNSサービスを有効にします。
11. <設定の保存>
設定内容を保存します。
【 端末の設定例 】
IPアドレス | 192.168.10.100 | |
サブネットマスク | 255.255.255.0 | |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.254 | |
DNS サーバ | プライマリ | 192.168.10.1 |
セカンダリ | 192.168.10.2 |
【 付録 】
目次
- 1. Ethernet設定
- 2. PPPoE設定
- 3. モバイル設定(NTTドコモ編)
- 4. モバイル設定(KDDI編)
- 5. モバイル設定(ソフトバンク編)
- 6. モバイル設定(楽天モバイル編)
- 7. モバイル設定(ローカル5G編)
- 8. モバイル設定(その他各種設定編)
- 9. WiMAX設定
- 10. 冗長化設定
- 冗長化設定一覧
- 10-1. PPPoE冗長化構成(回線冗長)
- 10-2. PPPoE冗長化構成(回線冗長)+PBR設定
- 10-3. メインPPPoE+バックアップEthernet構成
- 10-4. メインEthernet+バックアップPPPoE構成
- 10-5. メインPPPoE+バックアップPPPモバイル構成(リンク監視)
- 10-6. メインEthernet+バックアップPPPモバイル構成(Ping監視)
- 10-7. メインPPPoE+バックアップWWANモバイル構成(Ping監視)
- 10-8. メインPPPoE+バックアップWiMAX構成(Ping監視)
- 10-9. VRRP冗長化構成(メインPPPoE+バックアップモバイル)
- 10-10. VRRP冗長化構成(メインEthernet+バックアップモバイル)
- 11. モバイル冗長化設定
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