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NXR,VXRシリーズ
IPv6編
7.「v6プラス」接続設定
7-4. 「v6プラス」+ IPv4 PPPoE接続設定
株式会社JPIX(以下JPIX社)が提供する「v6プラス」とIPv4 PPPoEを組み合わせた設定例です。この例ではIPv4 PPPoEで外部へのサーバ公開を行います。また、RA(Router Advertisement)でIPv6プレフィックスの払い出しが行われることを想定しています。
※「v6プラス」は、JPIX社の登録商標です。
【 v6プラス機能対応機種 】
NXR-650,NXR-610Xシリーズ,NXR-530,NXR-160/LW,NXR-G200シリーズ,NXR-G180/L-CA,NXR-G120シリーズ,NXR-G110シリーズ(2023/10現在)
最新の対応状況は、各製品の更新履歴やユーザーズガイドをご確認ください。
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構成図 | 設定例 | 設定例解説 | 端末の設定例 | 補足 | 付録 |
【 構成図 】
- IPv6プレフィックスはRAで、DNSサーバアドレスはDHCPv6で取得します。
- ルータ配下の端末にはIPv6プレフィックスはRAで、DNSサーバアドレスはDHCPv6で広告します。また、IPv4アドレスはDHCPで配布します。(WWWサーバは除く)
※IPv6DNSサーバアドレスをRAで広告できる機種もあります。詳細はこちら - IPv4アドレスでWWWサーバを外部へ公開するためにPPPoE接続を行います。また、WWWサーバ用の経路をポリシーベースルーティングで設定します。
- ホームゲートウェイ(以下HGW)配下にNXRを接続しIPv6 RAプロキシを使用する場合で、かつNXR配下のIPv6端末のRA,DHCPv6で受信したIPv6DNSサーバアドレスがHGWアドレスの場合、NXR配下のIPv6端末は名前解決できません。その場合は、下記いずれかの対応を行う必要があります。
– 端末側でIPv4でも名前解決できるように設定する。
– DHCPv6サーバ,RDNSSでHGW以外のIPv6DNSサーバアドレス(パブリックDNS等)を配布する。詳しくはこちら
【 設定例 】
nxr530(config)#ipv6 dhcp-client IPv6DHCPC
nxr530(config-dhcp6c)#information-only enable
nxr530(config-dhcp6c)#option-request dns-servers
nxr530(config-dhcp6c)#exit
nxr530(config)#ipv6 dhcp-server IPv6DHCPS
nxr530(config-dhcp6s)#option-send dns-server add ipv6 dhcp-client ethernet 1
nxr530(config-dhcp6s)#exit
nxr530(config)#ip policy access-list ppp0_PBR_OUT 192.168.10.10 any
nxr530(config)#route-map PBR permit 1
nxr530(config-route-map)#match ip address ppp0_PBR_OUT
nxr530(config-route-map)#set interface ppp 0
nxr530(config-route-map)#exit
nxr530(config)#mape-rule v6PLUS type jpne auto
nxr530(config-map)#exit
nxr530(config)#interface map 0
nxr530(config-map)#tunnel mode ipipv6 mape-rule v6PLUS
nxr530(config-map)#ip spi-filter
nxr530(config-map)#ip tcp adjust-mss auto
nxr530(config-map)#no tunnel encap-limit
nxr530(config-map)#exit
nxr530(config)#ip route 0.0.0.0/0 map 0
nxr530(config)#ip dnat ppp0_DNAT tcp any any 192.0.2.1 80 192.168.10.10
nxr530(config)#ip access-list ppp0_FORWARD-IN permit any 192.168.10.10 tcp any 80
nxr530(config)#ipv6 access-list eth1_IN permit any any icmpv6
nxr530(config)#ipv6 access-list eth1_IN permit any any udp any 546
nxr530(config)#ipv6 access-list eth1_IN permit any any 4
nxr530(config)#interface ethernet 0
nxr530(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxr530(config-if)#ipv6 address autoconfig interface-id mape-rule v6PLUS
nxr530(config-if)#ipv6 nd send-ra
nxr530(config-if)#ipv6 nd other-config-flag
nxr530(config-if)#ipv6 dhcp server IPv6DHCPS
nxr530(config-if)#ip policy route-map PBR
nxr530(config-if)#ip access-linkdown
nxr530(config-if)#ipv6 access-linkdown
nxr530(config-if)#exit
nxr530(config)#dhcp-server 1
nxr530(config-dhcps)#network 192.168.10.0/24 range 192.168.10.200 192.168.10.210
nxr530(config-dhcps)#gateway 192.168.10.1
nxr530(config-dhcps)#dns-server 192.168.10.1
nxr530(config-dhcps)#exit
nxr530(config)#ppp account username [ISP接続用ユーザID] password [ISP接続用パスワード]
nxr530(config)#interface ppp 0
nxr530(config-ppp)#ip address 192.0.2.1/32
nxr530(config-ppp)#ip dnat-group ppp0_DNAT
nxr530(config-ppp)#ip access-group forward-in ppp0_FORWARD-IN
nxr530(config-ppp)#ip masquerade
nxr530(config-ppp)#ip spi-filter
nxr530(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxr530(config-ppp)#ppp username [ISP接続用ユーザID]
nxr530(config-ppp)#exit
nxr530(config)#interface ethernet 1
nxr530(config-if)#no ip address
nxr530(config-if)#ipv6 nd accept-ra proxy ethernet 0
nxr530(config-if)#ipv6 dhcp client IPv6DHCPC
nxr530(config-if)#ipv6 access-group in eth1_IN
nxr530(config-if)#ipv6 spi-filter
nxr530(config-if)#pppoe-client ppp 0
nxr530(config-if)#exit
nxr530(config)#dns
nxr530(config-dns)#service enable
nxr530(config-dns)#edns-query enable
nxr530(config-dns)#priority dhcpv6 1
nxr530(config-dns)#priority ppp 0 2
nxr530(config-dns)#timeout 5
nxr530(config-dns)#exit
nxr530(config)#fast-forwarding enable
nxr530(config)#exit
nxr530#save config
【 設定例解説 】
1. <DHCPv6クライアント設定>
DHCPv6クライアント設定の名前を定義します。
information-only機能を有効にします。
DHCPv6サーバに対してDNSサーバアドレスの通知を要求するように設定します。
2. <DHCPv6サーバ設定>
DHCPv6サーバ設定の名前を定義します。
DHCPv6 Reply送信時に、DNSサーバアドレスを通知するように設定します。
(☞) この設定例ではDHCPv6クライアントで取得したDNSサーバアドレスを広告します。
3. <IPポリシーアクセスリスト設定>
IPポリシーアクセスリストppp0_PBR_OUTを以下のルールで設定します。
- 送信元IPv4アドレス … 192.168.10.10
- 宛先IPv4アドレス … any
(☞) IPポリシーアクセスリストを設定しただけでは、ポリシーベースルーティングは機能しません。ルートマップ設定およびパケット受信インタフェースでルートマップの登録が必要になります。
4. <ルートマップ設定>
ルートマップ名をPBRとし、No.1のルールを作成します。
マッチ条件として、IPポリシーアクセスリストppp0_PBR_OUTを設定します。
該当条件にマッチした際のネクストホップとしてppp0を設定します。
5. <MAP-Eルール設定>
MAP-Eルール名をv6PLUSとし、MAP-Eのルールタイプをjpne,取得方法をautoに設定します。
6. <map0インタフェース設定>
nxr530(config-map)#tunnel mode ipipv6 mape-rule v6PLUS
map0インタフェースでトンネルモードとMAP-Eルール名を設定します。
IPv4ステートフルパケットインスペクションを有効にします。
IPv4 TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
encap-limit設定を無効にします。
7. <IPv4スタティックルート設定>
IPv4デフォルトルートを設定します。
8. <DNAT設定>
DNAT名ppp0_DNATを以下のルールで設定します。
- 宛先IPアドレス192.0.2.1,宛先TCPポート番号80のパケットの宛先IPアドレスを192.168.10.10に変換
(☞) DNATを設定しただけでは、宛先IPアドレスの変換機能は有効にはなりません。宛先IPアドレスの変換を行うインタフェースでの登録が必要になります。
9. <IPv4アクセスリスト設定>
IPv4アクセスリストppp0_FORWARD-INを以下のルールで設定します。
- 宛先IPアドレス192.168.10.10,宛先TCPポート番号80を許可
(☞) IPv4アクセスリストを設定しただけではフィルタとして有効にはなりません。フィルタリングしたいインタフェースでの登録が必要になります。
10. <IPv6アクセスリスト設定>
nxr530(config)#ipv6 access-list eth1_IN permit any any udp any 546
nxr530(config)#ipv6 access-list eth1_IN permit any any 4
IPv6アクセスリストeth1_INを以下のルールで設定します。
- ICMPv6を許可
- 宛先UDPポート546番(DHCPv6クライアント)を許可
- プロトコル番号4(IPIP)を許可
(☞) IPv6アクセスリストを設定しただけではフィルタとして有効にはなりません。フィルタリングを行うインタフェースでの登録が必要になります。
11. <ethernet0インタフェース設定>
nxr530(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPv4アドレスを設定します。
ethernet0インタフェースのIPv6アドレスを設定します。なお、インタフェースIDにはMAP-Eルール名を設定します。
IPv6 RA(Router Advertisement)を送信するように設定します。
RAパケットのOフラグ(other-config-flag)を設定します。
DHCPv6サーバ名を指定し、DHCPv6サーバを有効にします。
ポリシーベースルーティング用のルートマップを設定します。
IPアクセスリンクダウンを有効にします。
IPv6アクセスリンクダウンを有効にします。
12. <IPv4 DHCPサーバ設定>
nxr530(config-dhcps)#network 192.168.10.0/24 range 192.168.10.200 192.168.10.210
nxr530(config-dhcps)#gateway 192.168.10.1
nxr530(config-dhcps)#dns-server 192.168.10.1
IPv4 DHCPサーバを設定します。
13. <PPPアカウント設定>
ISP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
14. <ppp0インタフェース設定>
nxr530(config-ppp)#ip address 192.0.2.1/32
ppp0インタフェースのIPアドレスを設定します。
DNATグループにppp0_DNATを設定します。
IPv4アクセスグループのforward-inフィルタにIPv4アクセスリストppp0_FORWARD-INを設定します。
nxr530(config-ppp)#ip spi-filter
IPマスカレード、IPv4ステートフルパケットインスペクションを有効にします。
IPv4 TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
ISP接続用ユーザIDを設定します。
15. <ethernet1インタフェース設定>
nxr530(config-if)#no ip address
ethernet1インタフェースのIPv4アドレスを無効にします。
RAプロキシを有効にします。
DHCPv6クライアント名を指定し、DHCPv6クライアントを有効にします。
IPv6アクセスグループのinフィルタにIPv6アクセスリストeth1_INを設定します。
IPv6ステートフルパケットインスペクションを有効にします。
PPPoEクライアントにppp0を設定します。
16. <DNS設定>
nxr530(config-dns)#service enable
DNSサービスを有効にします。
EDNSを有効にします。
nxr530(config-dns)#priority ppp 0 2
DNSサーバの優先度を変更します。
DHCPv6で取得したDNSサーバアドレスを、ppp0インタフェースで取得したDNSサーバアドレスよりも優先するように設定します。
(☞) デフォルトではDHCPv6,ppp0それぞれでDNSサーバアドレスを取得した場合、優先度はppp0→dhcpv6の順になります。
タイムアウト時間を設定します。
17. <ファストフォワーディング設定>
ファストフォワーディングを有効にします。
18. <設定の保存>
設定内容を保存します。
【 端末の設定例 】
IPv4 | アドレス | DHCPサーバから自動取得 |
サブネットマスク | ||
デフォルトゲートウェイ | ||
DNSサーバアドレス | ||
IPv6 | プレフィックス | ルータからRAで取得 |
アドレス | プレフィックス情報を元に自動生成 | |
デフォルトゲートウェイ | ルータからRAで取得 | |
DNSサーバアドレス | ルータからDHCPv6で取得 |
【 補足 】
〔 map0インタフェースのIPv4アドレス設定 〕
map0インタフェースにMAPルールで割り当てられたIPv4アドレスを割り当てる場合、下記のように設定します。
<map0インタフェースのIPv4アドレス設定>
(config-map)#ip address mape-rule
〔 RDNSS設定 〕
一部機種ではRA送信時、RDNSS(Recursive DNS Server)を送信することができます。
【 対応機種 】
NXR-650,NXR-610Xシリーズ,NXR-530,NXR-160/LW,NXR-G200シリーズ,NXR-G180/L-CA,NXR-G120シリーズ,NXR-G110シリーズ,VXR-x64(2023/10現在)
最新の対応状況は、各製品の更新履歴やユーザーズガイドをご確認ください。
<RDNSS設定>
(config-if)#ipv6 nd ra-dns-server dhcp-client ethernet 1
RA送信時、RDNSSを送信するように設定します。
(☞) この例ではDHCPv6クライアントで取得したDNSサーバアドレスを広告します。
〔 任意のIPv6DNSサーバアドレスの広告設定 〕
ルータ配下の端末に任意のIPv6DNSサーバアドレスを広告することも可能です。
<DHCPv6サーバ設定>
(config-dhcp6s)#option-send dns-server address 2001:db8::1
DHCPv6 Reply送信時に、指定したDNSサーバアドレスを通知するように設定します。
<RDNSS設定>
【 対応機種 】
NXR-650,NXR-610Xシリーズ,NXR-530,NXR-160/LW,NXR-G200シリーズ,NXR-G180/L-CA,NXR-G120シリーズ,NXR-G110シリーズ,VXR-x64(2023/10現在)
最新の対応状況は、各製品の更新履歴やユーザーズガイドをご確認ください。
(config-if)#ipv6 nd ra-dns-server 2001:db8::1
RA送信時、指定したDNSサーバアドレスを送信するように設定します。
【 付録 】
目次
- 1. IPv6ブリッジ設定
- 2. IPv6 PPPoE設定
- 3. IPv6 IPoE設定
- 4. IPv6 IPsec設定
- 5. IPv6 L2TPv3設定
- 6.「v6プラス」(固定IP)サービス接続設定
- 7.「v6プラス」接続設定
- 8.「OCNバーチャルコネクト」接続設定
- 9. transix IPv4接続(DS-Lite)接続設定
- 10. transix IPv4接続(固定IP)接続設定
- 11. IPv6 モバイル設定
- 12.「v6 コネクト」IPv4 over IPv6 接続(IPIP)設定
- 13. BIGLOBE IPv6 サービス ( IPIP ) 接続設定
- 14. クロスパス(Xpass)可変IP接続設定
- 15. クロスパス(Xpass)固定IP接続設定
更新情報
→ 一覧へ- 2024.10.01NXR,VXR
ネットイベント編
3-19. DDNSクライアントの有効/無効化設定 - 2024.10.01NXR,VXR
運用管理編
11-3. センチュリー・テクニカルサポート情報の取得と転送 - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
2-18. センチュリー・テクニカルサポート情報の取得(maint/century-tech-support) - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
2-17. デバッグタイマの実行(maint/debug) - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
12-10. SSHクライアント設定(ssh-client)
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