FutureNet

NXR,VXRシリーズ

WANインタフェース編

4. モバイル設定(KDDI編)

4-5. マルチキャリア対応機種でのPPP接続設定(KDDI)

下記対象機種のマルチキャリア対応の内蔵通信モジュールを利用してインターネットアクセスする設定例です。この例では通信キャリアにKDDIを指定して接続します。

なおキャリアアグリゲーション対応の内蔵通信モジュールを搭載した機種の設定例はこちらをご参照ください。

 

【対象機種】NXR-160/LW,NXR-G180/L-CA,NXR-G260/L,NXR-G240/L,NXR-G110/L,NXR-G100/L(2021/10現在)

最新の対応状況は、各製品の更新履歴やユーザーズガイドをご確認ください。

 

コンテンツ
構成図 設定例 設定例解説 端末の設定例 補足 付録

 

【 構成図 】

  • 対象機種の内蔵通信モジュールはmobile1として認識されます。(NXR-G180/L-CAは除く)
    (☞) NXR-G180/L-CAはキャリアアグリゲーション対応の内蔵通信モジュールがmobile1(LTE1),キャリアアグリゲーション未対応の内蔵通信モジュールがmobile2(LTE2)となります。よってNXR-G180/L-CAを設定する場合はmobile1をmobile2に読み替えて設定してください。

 

【 設定例 】

nxrg110#configure terminal
nxrg110(config)#interface ethernet 0
nxrg110(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxrg110(config-if)#exit
nxrg110(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
nxrg110(config)#ppp account username [PPP接続用ユーザID] password [PPP接続用パスワード]
nxrg110(config)#interface ppp 0
nxrg110(config-ppp)#ip address negotiated
nxrg110(config-ppp)#ip masquerade
nxrg110(config-ppp)#ip spi-filter
nxrg110(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxrg110(config-ppp)#ppp username [PPP接続用ユーザID]
nxrg110(config-ppp)#mobile apn [APN] cid 2 pdp-type ip
nxrg110(config-ppp)#dial-up string *99***2#
nxrg110(config-ppp)#dial-up timeout 30
nxrg110(config-ppp)#exit
nxrg110(config)#mobile error-recovery-reset
nxrg110(config)#mobile termination-recovery reset
nxrg110(config)#mobile 1 ppp 0
nxrg110(config)#mobile 1 carrier kddi
nxrg110(config)#exit
nxrg110#clear mobile 1
nxrg110#configure terminal
nxrg110(config)#dns
nxrg110(config-dns)#service enable
nxrg110(config-dns)#exit
nxrg110(config)#exit
nxrg110#save config

 

【 設定例解説 】

1. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
nxrg110(config)#interface ethernet 0
nxrg110(config-if)#ip address 192.168.10.1/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

2. <スタティックルート設定>
nxrg110(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0

デフォルトルートを設定します。

 

3. <PPPアカウント設定>
nxrg110(config)#ppp account username [PPP接続用ユーザID] password [PPP接続用パスワード]

PPP接続用ユーザID,パスワードを設定します。

 

4. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
nxrg110(config)#interface ppp 0
nxrg110(config-ppp)#ip address negotiated

ppp0インタフェースのIPアドレスをnegotiatedに設定します。

nxrg110(config-ppp)#ip masquerade
nxrg110(config-ppp)#ip spi-filter

IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効にします。

nxrg110(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto

TCP MSSの調整機能をオートに設定します。

nxrg110(config-ppp)#ppp username [PPP接続用ユーザID]

PPP接続用ユーザIDを設定します。

nxrg110(config-ppp)#mobile apn [APN] cid 2 pdp-type ip

APN,CID,PDPタイプを設定します。

(☞) KDDI MNO SIMを使用する場合はCIDを「2」に設定します。またKDDI MVNO SIMを使用する場合はCIDを「1」に設定します。設定はこちら

nxrg110(config-ppp)#dial-up string *99***2#

発信用の電話番号を設定します。
(☞) 電話番号の#の前の数字はCIDを表しています。

nxrg110(config-ppp)#dial-up timeout 30

ダイアルタイムアウトを設定します。

 

5. <モバイルエラーリカバリー設定>
nxrg110(config)#mobile error-recovery-reset

内蔵通信モジュールとの通信に重大な問題が発生する可能性が高いと判断した場合、内蔵通信モジュールのリセットを行うように設定します。

 

6. <モバイルターミネーションリカバリー設定>
nxrg110(config)#mobile termination-recovery reset

PPP接続時に網側から切断された場合、内蔵通信モジュールのリセットを行うように設定します。

 

7. <モバイル割り当て設定>
nxrg110(config)#mobile 1 ppp 0

mobile1として認識されている内蔵通信モジュールとppp0インタフェースの関連づけを行います。
内蔵通信モジュールをPPPインタフェースで使用する場合は、mobileコマンドによるPPPインタフェースへの関連付けが必要になります。
(☞) mobile1の情報はshow mobile 1コマンドで確認することができます。

 

8. <モバイルキャリア設定>
nxrg110(config)#mobile 1 carrier kddi

mobile1のキャリアを設定します。
(☞) キャリア設定は「clear mobile 1」コマンドによるモバイルリセットを行うことで反映されます。

(☞) SIMカードの種類によってはKDDI MVNOという形で設定する必要があります。設定はこちら

 

9. <DNS設定>
nxrg110(config)#dns
nxrg110(config-dns)#service enable

DNSサービスを有効にします。

 

10. <設定の保存>
nxrg110#save config

設定内容を保存します。

 

【 端末の設定例 】

IPアドレス 192.168.10.100
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.1
DNSサーバ

 

【 補足 】

〔KDDI MVNO設定〕

SIMカードの種類によってはモバイルキャリアをKDDI MVNOに設定する必要があります。またKDDI MVNO SIMを利用する場合はCIDを「1」に設定する必要があります。

<モバイルキャリア設定>
nxrg110(config)#mobile 1 carrier kddi mvno

mobile1のキャリアをKDDI MVNOに設定します。

 

<WAN側(ppp0)インタフェース設定>
nxrg110(config-ppp)#mobile apn [APN] cid 1 pdp-type ip

APN,CID,pdp-typeを設定します。
(☞) KDDI MVNO SIMを使用する場合はCIDを「1」に設定します。またKDDI MNO SIMを使用する場合はCIDを「2」に設定します。

nxrg110(config-ppp)#dial-up string *99***1#

発信用の電話番号を設定します。
(☞) 電話番号の#の前の数字はCIDを表しています。

 

【 付録 】