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ASシリーズ

モバイル接続

4.GREトンネル

4.1 GREトンネリングの利用 (AS – XR/NXR)

この例は、ASシリーズのGREトンネリング機能を利用し、NXRシリーズのルータとの間でGREトンネリングによる通信を行う設定例です。これによりASシリーズ側でNATを利用せずに配下の装置へのアクセスが可能になります。

 

【 構成図 】

WS000021

 

【 要件 】

インタフェース

・NXRシリーズではEthernet接続の設定を行っています。

・ASシリーズでは閉域網サービスに接続するための設定を行います。

主なインタフェースおよびPPPのパラメータ

 パラメータ  NXRシリーズ  ASシリーズ
 LAN側インタフェース  Ether0  Ether
 LAN側IPアドレス  192.168.11.1  192.168.254.1
 WAN側インタフェース  Ether1  ppp
 WAN側IPアドレス  192.168.10.2  10.10.100.1
GRE

NXRではtunnel1インタフェースGRE用に使用します。

主なGREのパラメータ

 パラメータ NXRシリーズ ASシリーズ
 対向拠点 ASシリーズ NXRシリーズ
 リモート(宛先)アドレス  10.10.100.1  192.168.10.2
 ローカル(送信元)アドレス  192.168.10.2  -
MSS設定  自動  -
 TTL  255  -
その他

スタティックルート設定でASシリーズ配下のLANへのルートをスタティックルートでインタフェース「tunnel1」で設定しています。

 

【 ASシリーズの設定例 】

rsport 0 lcpkeepalive on

main ip 192.168.254.1

main mask 255.255.255.0

domain 0 example testid testpass 192.168.11.0/24 10.10.100.1

domain 0 pdptype ppp

interface 0 gre 192.168.10.2

【 設定例解説 】

ASシリーズの設定

ポイント:NXRシリーズとGREトンネリングによる接続を行います。domainとinterfaceの設定は必須です。

 

main ip 192.168.254.1
main mask 255.255.255.0

ASシリーズのLAN側IPアドレスとサブネットマスクを設定します。

 

domain 0 example testid testpass 192.168.11.0/24 10.10.100.1

APN、ユーザID、パスワード、宛先ネットワークアドレス、WAN側IPアドレスを設定します。

WAN側IPアドレスは、予め指定されたIP アドレスをIPCP で通知する場合に指定します。通知しない場合は0.0.0.0とします。

 

domain 0 pdptype ppp

PDPタイプの工場出荷値はIPタイプです。PPPタイプの場合設定が必要です。

(注意)AS-250/KL、AS-M250/KLではPDPタイプの指定は不要です。

 

interface 0 gre 192.168.10.2

GREトンネリングを有効にし、トンネリングの終点を192.168.10.2とします。

 

NXRシリーズ(センタルータ)側の設定

ポイント:ASシリーズとGREトンネリングによる接続を行います。また閉域網に接続するためのEthernet設定を行います。

 

<LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

nxr120(config)#interface ethernet 0
nxr120(config-if)#ip address 192.168.11.1/24

LAN側(ethernet0)インタフェースのIPアドレスに192.168.11.1/24を設定します。

 

<WAN側(ethernet1)インタフェース設定>

nxr120(config)#interface ethernet 1
nxr120(config-if)#ip address 192.168.10.2/24

WAN側(ethernet1)インタフェースのIPアドレスに192.168.10.2/24を設定します。

 

<スタティックルート設定>

nxr120(config)#ip route 192.168.254.0/24 tunnel 1

GREで使用するスタティックルートを設定します。

ここで設定した宛先IPアドレスにマッチしたパケットがGREのカプセル化対象となります。

 

ゲートウェイはGREで使用するトンネルインタフェースを設定します。

ここではASシリーズ配下LAN向けルートのゲートウェイインタフェースにtunnel 1を設定します。

nxr120(config)#ip route 0.0.0.0/0 192.168.10.1

デフォルトルートを設定します。ゲートウェイアドレスは上位ルータのIPアドレスを設定します。

ここではゲートウェイアドレスに192.168.10.1を設定します。

 

<tunnel1インタフェース設定>

nxr120(config)#interface tunnel 1

 

GREで使用するtunnel1インタフェースを設定します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel mode gre

トンネルインタフェースで使用するトンネルモードを設定します。

トンネルインタフェースをGREで使用する場合は、greと設定します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel source 192.168.10.2

トンネルの送信元IPアドレスに機器のWAN側(ethernet1)IPアドレス192.168.10.2を設定します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel destination 10.10.100.1

トンネルの宛先IPアドレスにASシリーズのWAN側IPアドレス10.10.100.1を設定します。

nxr120(config-tunnel)#ip tcp adjust-mss auto

TCP MSSの調整機能をオートに設定します。

TCP MSS調整機能はTCPのネゴシエーション時にMSS値を調整することで、サイズの大きいTCPパケットを転送する際にフラグメントによるスループットの低下を抑制する場合に利用します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel ttl 255

TTL値を255に設定します。

 

※NXRシリーズのルータの設定方法の詳細は各ユーザーズマニュアルをご参照下さい。