FutureNet

ASシリーズ

モバイル接続

4.GREトンネル

4.1 GREトンネリングの利用 (AS – XR/NXR)

この例は、AS-250のGREトンネリング機能を利用し、XR/NXRルータとの間でGREトンネリングによる通信を行う設定例です。これによりAS-250側でNATを利用せずに配下の装置へのアクセスが可能になります。

 

【 構成図 】

WS000021

 

【 要件 】

インタフェース

・NXRではEthernet接続の設定を行っています。

・AS-250では閉域網サービスに接続するための設定を行います。

主なインタフェースおよびPPPのパラメータ

 パラメータ  NXR  AS-250
 LAN側インタフェース  Ether0  Ether
 LAN側IPアドレス  192.168.11.1  192.168.254.1
 WAN側インタフェース  Ether1  ppp
 WAN側IPアドレス  192.168.10.2  10.10.100.1
GRE

NXRではtunnel1インタフェースGRE用に使用します。

主なGREのパラメータ

 パラメータ NXR AS-250
 対向拠点 AS-250 NXR
 リモート(宛先)アドレス  10.10.100.1  192.168.10.2
 ローカル(送信元)アドレス  192.168.10.2  -
MSS設定  自動  -
 TTL  255  -
その他

スタティックルート設定でAS-250配下のLANへのルートをスタティックルートでインタフェース「tunnel1」で設定しています。

【 AS-250の設定例 】

rsport 0 lcpkeepalive on

main ip 192.168.254.1

main mask 255.255.255.0

domain 0 example testid testpass 192.168.11.0/24 10.10.100.1

domain 0 pdptype ppp

interface 0 gre 192.168.10.2

【 設定例解説 】

AS-250側の設定

ポイント:NXRとGREトンネリングによる接続を行います。domainとinterfaceの設定は必須です。

main ip 192.168.254.1
main mask 255.255.255.0

AS-250のLAN側IPアドレスとサブネットマスクを設定します。

domain 0 example testid testpass 192.168.11.0/27 10.10.100.1

APN(AS-250/Xの場合はドメイン名)、ユーザID、パスワード、宛先ネットワークアドレス、WAN側IPアドレス(AS-250/Xの場合はメトリック)を設定します。

WAN側IPアドレスは、予め指定されたIP アドレスをIPCP で通知する場合に指定します。通知しない場合は0.0.0.0とします。

AS-250/Xの場合は、WAN側IPアドレスは不要で”domain 0 example testid testpass 0.0.0.0/0 1″のように入力します。

domain 0 pdptype ppp

PDPタイプの工場出荷値はIPタイプです。PPPタイプの場合設定が必要です。

(注意)AS-250/KL、AS-250/X、ではPDPタイプの指定は不要です。

interface 0 gre 192.168.10.2

GREトンネリングを有効にし、トンネリングの終点を192.168.10.2とします。

 

NXR(センタルータ)側の設定

ポイント:AS-250とGREトンネリングによる接続を行います。また閉域網に接続するためのEthernet設定を行います。

<LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

nxr120(config)#interface ethernet 0
nxr120(config-if)#ip address 192.168.11.1/24

 

LAN側(ethernet0)インタフェースのIPアドレスに192.168.11.1/24を設定します。

<WAN側(ethernet1)インタフェース設定>

nxr120(config)#interface ethernet 1
nxr120(config-if)#ip address 192.168.10.2/24

WAN側(ethernet1)インタフェースのIPアドレスに192.168.10.2/24を設定します。

<スタティックルート設定>

nxr120(config)#ip route 192.168.254.0/24 tunnel 1

GREで使用するスタティックルートを設定します。

ここで設定した宛先IPアドレスにマッチしたパケットがGREのカプセル化対象となります。

ゲートウェイはGREで使用するトンネルインタフェースを設定します。

ここではAS-250配下LAN向けルートのゲートウェイインタフェースにtunnel 1を設定します。

nxr120(config)#ip route 0.0.0.0/0 192.168.10.1

デフォルトルートを設定します。ゲートウェイアドレスは上位ルータのIPアドレスを設定します。

ここではゲートウェイアドレスに192.168.10.1を設定します。

<tunnel1インタフェース設定>

nxr120(config)#interface tunnel 1

GREで使用するtunnel1インタフェースを設定します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel mode gre

トンネルインタフェースで使用するトンネルモードを設定します。

トンネルインタフェースをGREで使用する場合は、greと設定します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel source 192.168.10.2

トンネルの送信元IPアドレスに機器のWAN側(ethernet1)IPアドレス192.168.10.2を設定します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel destination 10.10.100.1

トンネルの宛先IPアドレスにAS-250のWAN側IPアドレス10.10.100.1を設定します。

nxr120(config-tunnel)#ip tcp adjust-mss auto

TCP MSSの調整機能をオートに設定します。

TCP MSS調整機能はTCPのネゴシエーション時にMSS値を調整することで、サイズの大きいTCPパケットを転送する際にフラグメントによるスループットの低下を抑制する場合に利用します。

nxr120(config-tunnel)#tunnel ttl 255

TTL値を255に設定します。

 

 

※NXRルータの設定方法の詳細は各ユーザーズマニュアルをご参照下さい。