FutureNet
NXR,VXRシリーズ
ルーティング編
3. OSPF設定
3-3. デフォルトルートの配信(OSPF)
OSPFでデフォルトルートを配信し、配下のネットワークからもインターネットアクセスできるようにする設定例です。
【 構成図 】
- ルータNXR_AのEthernet0インタフェースのネットワークアドレスは配信しますが、ルーティングアップデートの送信は不要なため、Ethernet0インタフェースをパッシブインタフェースに設定します。
- ルータNXR_Bでデフォルトルートを配信します。なおこの設定例ではデフォルトルートを保持している場合のみ、配信するよう設定します。
【 設定データ 】
〔NXR_Aの設定〕
設定項目 | 設定内容 | ||
---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_A | ||
ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.1/24 | ||
ethernet1のIPアドレス | 192.168.20.1/24 | ||
OSPF | ルータID | 10.0.10.1 | |
ネットワーク | 192.168.10.0/24(エリア0) | ||
192.168.20.0/24(エリア0) | |||
パッシブインタフェース | ethernet0 | ||
FastFowarding | 有効 |
〔NXR_Bの設定〕
設定項目 | 設定内容 | ||
---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_B | ||
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.20.2/24 | |
WAN側インタフェース | PPPoEクライアント(ethernet1) | ppp0 | |
ppp0のIPアドレス | 動的IPアドレス | ||
IPマスカレード | 有効 | ||
SPIフィルタ | 有効 | ||
TCP MSS自動調整 | オート | ||
ISP接続用ユーザID | test1@example.jp | ||
ISP接続用パスワード | test1pass | ||
スタティックルート | 宛先IPアドレス | 0.0.0.0/0 | |
ゲートウェイ(インタフェース) | ppp0 | ||
OSPF | ルータID | 10.0.10.2 | |
ネットワーク | 192.168.20.0/24(エリア0) | ||
デフォルトルートの配信 | 有効 | ||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
〔NXR_Aの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#router ospf
NXR_A(config-router)#router-id 10.0.10.1
NXR_A(config-router)#network 192.168.10.0/24 area 0
NXR_A(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 0
NXR_A(config-router)#passive-interface ethernet 0
NXR_A(config-router)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config
〔NXR_Bの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.2/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
NXR_B(config)#ppp account username test1@example.jp password test1pass
NXR_B(config)#interface ppp 0
NXR_B(config-ppp)#ip address negotiated
NXR_B(config-ppp)#ip masquerade
NXR_B(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_B(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_B(config-ppp)#ppp username test1@example.jp
NXR_B(config-ppp)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#no ip address
NXR_B(config-if)#pppoe-client ppp 0
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#router ospf
NXR_B(config-router)#router-id 10.0.10.2
NXR_B(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 0
NXR_B(config-router)#default-information originate
NXR_B(config-router)#exit
NXR_B(config)#dns
NXR_B(config-dns)#service enable
NXR_B(config-dns)#exit
NXR_B(config)#fast-forwarding enable
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config
【 設定例解説 】
〔NXR_Aの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
4. <OSPF設定>
OSPFを有効にします。
ルータIDを設定します。
(☞) ルータIDは指定することを推奨します。
NXR_A(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 0
OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。
(☞) 指定したネットワークアドレスの範囲に含まれるインタフェースでOSPFが動作します。
Ethernet0インタフェースをパッシブインタフェースとして設定します。
5. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR ,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
〔NXR_Bの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.2/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <スタティックルート設定>
デフォルトルートを設定します。
4. <PPPアカウント設定>
ppp0インタフェースで使用するISP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
(☞) ここで設定したアカウントはppp0インタフェースの設定で利用します。
5. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
NXR_B(config-ppp)#ip address negotiated
ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、negotiatedを設定します。
NXR_B(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_B(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。またTCP MSSの調整機能をオートに設定します。
ISP接続用ユーザIDを設定します。
6. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#no ip address
NXR_B(config-if)#pppoe-client ppp 0
PPPoEクライアントとしてppp0インタフェースを使用できるように設定します。
7. <OSPF設定>
OSPFを有効にします。
ルータIDを設定します。
OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。
デフォルトルートの配信を有効にします。
(☞) デフォルトルートを保持している場合のみ、デフォルトルートの配信を行います。
8. <DNS設定>
NXR_B(config-dns)#service enable
DNSサービスを有効にします。
9. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。
【 端末の設定例 】
IPアドレス | 192.168.10.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 |
DNSサーバ | 192.168.20.2 |
【 補足 】
OSPFでデフォルトルートを保持していない場合でもデフォルトルートを配信するには、default-information originateコマンドに「always」オプションを追加します。
(config-router)#default-information originate always
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