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NXR,VXRシリーズ

ルーティング編

3. OSPF設定

3-6. バーチャルリンク設定

OSPFでは全てのエリアがバックボーンエリア(エリア0)と接続しなけらばならないというルールがあります。ですが構成上バックボーンエリアへの接続が困難なケースがあります。このような場合、バーチャルリンク機能を使用することでバックボーンエリアに接続されたトランジットエリアを経由してバックボーンエリアに接続することができます。

 

【 構成図 】

  • バーチャルリンクをルータNXR_AとNXR_Bで設定します。またエリア1をトランジットエリアとします。
  • ルータNXR_AのEthernet0、NXR_CのEthernet1インタフェースのネットワークアドレスは配信しますが、ルーティングアップデートの送信は不要なため、これらのインタフェースをパッシブインタフェースに設定します。

 

【 設定データ 】

〔NXR_Aの設定〕

設定項目 設定内容
ホスト名 NXR_A
ethernet0インタフェース IPアドレス 192.168.10.1/24
ethernet1インタフェース IPアドレス 192.168.20.1/24
OSPF ルータID 10.0.10.1
ネットワーク 192.168.10.0/24(エリア0)
192.168.20.0/24(エリア1)
バーチャルリンク エリア エリア1
ルータID 10.0.10.2
パッシブインタフェース ethernet0
FastFowarding 有効

〔NXR_Bの設定〕

設定項目 設定内容
ホスト名 NXR_B
ethernet0インタフェース IPアドレス 192.168.20.2/24
ethernet1インタフェース IPアドレス 192.168.30.1/24
OSPF ルータID 10.0.10.2
ネットワーク 192.168.20.0/24(エリア1)
192.168.30.0/24(エリア2)
バーチャルリンク エリア エリア1
ルータID 10.0.10.1
FastFowarding 有効

〔NXR_Cの設定〕

設定項目 設定内容
ホスト名 NXR_C
ethernet0インタフェース IPアドレス 192.168.30.2/24
ethernet1インタフェース IPアドレス 192.168.40.1/24
OSPF ルータID 10.0.10.3
ネットワーク 192.168.30.0/24(エリア2)
192.168.40.0/24(エリア2)
パッシブインタフェース ethernet1
FastFowarding 有効

【 設定例 】

〔NXR_Aの設定〕

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#router ospf
NXR_A(config-router)#router-id 10.0.10.1
NXR_A(config-router)#network 192.168.10.0/24 area 0
NXR_A(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 1
NXR_A(config-router)#area 1 virtual-link 10.0.10.2
NXR_A(config-router)#passive-interface ethernet 0
NXR_A(config-router)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config

〔NXR_Bの設定〕

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.2/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.30.1/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#router ospf
NXR_B(config-router)#router-id 10.0.10.2
NXR_B(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 1
NXR_B(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 2
NXR_B(config-router)#area 1 virtual-link 10.0.10.1
NXR_B(config-router)#exit
NXR_B(config)#fast-forwarding enable
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config

〔NXR_Cの設定〕

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_C
NXR_C(config)#interface ethernet 0
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.30.2/24
NXR_C(config-if)#exit
NXR_C(config)#interface ethernet 1
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.40.1/24
NXR_C(config-if)#exit
NXR_C(config)#router ospf
NXR_C(config-router)#router-id 10.0.10.3
NXR_C(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 2
NXR_C(config-router)#network 192.168.40.0/24 area 2
NXR_C(config-router)#passive-interface ethernet 1
NXR_C(config-router)#exit
NXR_C(config)#fast-forwarding enable
NXR_C(config)#exit
NXR_C#save config

【 設定例解説 】

〔NXR_Aの設定〕

1. <ホスト名の設定>
nxrg100(config)#hostname NXR_A

ホスト名を設定します。

 

2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.20.1/24

ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

4. <OSPF設定>
NXR_A(config)#router ospf

OSPFを有効にします。

NXR_A(config-router)#router-id 10.0.10.1

ルータIDを設定します。
(☞) ルータIDは指定することを推奨します。

NXR_A(config-router)#network 192.168.10.0/24 area 0
NXR_A(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 1

OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。
(☞) 指定したネットワークアドレスの範囲に含まれるインタフェースでOSPFが動作します。

NXR_A(config-router)#area 1 virtual-link 10.0.10.2

ルータNXR_Bとのバーチャルリンクを設定します。
(☞) バーチャルリンクではネイバールータのIDを指定します。

NXR_A(config-router)#passive-interface ethernet 0

Ethernet0インタフェースをパッシブインタフェースに設定します。

 

5. <ファストフォワーディングの有効化>
NXR_A(config)#fast-forwarding enable

ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR ,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。

 

〔NXR_Bの設定〕

1. <ホスト名の設定>
nxrg100(config)#hostname NXR_B

ホスト名を設定します。

 

2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.2/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.30.1/24

ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

4. <OSPF設定>
NXR_B(config)#router ospf

OSPFを有効にします。

NXR_B(config-router)#router-id 10.0.10.2

ルータIDを設定します。

NXR_B(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 1
NXR_B(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 2

OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。

NXR_B(config-router)#area 1 virtual-link 10.0.10.1

ルータNXR_Aとのバーチャルリンクを設定します。

 

5. <ファストフォワーディングの有効化>
NXR_B(config)#fast-forwarding enable

ファストフォワーディングを有効にします。

 

〔NXR_Cの設定〕

1. <ホスト名の設定>
nxrg100(config)#hostname NXR_C

ホスト名を設定します。

 

2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_C(config)#interface ethernet 0
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.30.2/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_C(config)#interface ethernet 1
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.40.1/24

ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

4. <OSPF設定>
NXR_C(config)#router ospf

OSPFを有効にします。

NXR_C(config-router)#router-id 10.0.10.3

ルータIDを設定します。

NXR_C(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 2
NXR_C(config-router)#network 192.168.40.0/24 area 2

OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。

NXR_C(config-router)#passive-interface ethernet 1

Ethernet1インタフェースをパッシブインタフェースに設定します。

 

5. <ファストフォワーディングの有効化>
NXR_C(config)#fast-forwarding enable

ファストフォワーディングを有効にします。

 

【 端末の設定例 】

LAN_Aの端末 LAN_Dの端末
IP アドレス 192.168.10.100 192.168.40.100
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.1 192.168.40.1