FutureNet
NXR,VXRシリーズ
ルーティング編
3. OSPF設定
3-5. スタブエリア設定
OSPFではスタブエリアを利用することで、外部経路がデフォルトルートとして通知されます。これによりルーティングテーブルのサイズを小さくすることができます。ただしスタブエリアにはASBR(AS境界ルータ)を設置することはできません。
【 構成図 】
- ルータNXR_AではコネクテッドルートをOSPFに再配信します。
- ルータNXR_BをABR(エリア境界ルータ)とし、エリア1をスタブエリアとします。
- ルータNXR_CのEthernet1インタフェースのネットワークアドレスは配信しますが、ルーティングアップデートの送信は不要なため、Ethernet1インタフェースをパッシブインタフェースに設定します。
【 設定データ 】
〔NXR_Aの設定〕
設定項目 | 設定内容 | ||
---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_A | ||
ethernet0インタフェース | IPアドレス | 192.168.10.1/24 | |
ethernet1インタフェース | IPアドレス | 192.168.20.1/24 | |
OSPF | ルータID | 10.0.10.1 | |
ネットワーク | 192.168.20.0/24(エリア0) | ||
再配信 | ソースプロトコル | コネクテッドルート | |
FastFowarding | 有効 |
〔NXR_Bの設定〕
設定項目 | 設定内容 | ||
---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_B | ||
ethernet0インタフェース | IPアドレス | 192.168.20.2/24 | |
ethernet1インタフェース | IPアドレス | 192.168.30.1/24 | |
OSPF | ルータID | 10.0.10.2 | |
ネットワーク | 192.168.20.0/24(エリア0) | ||
192.168.30.0/24(エリア1) | |||
スタブ | area1 | ||
FastFowarding | 有効 |
〔NXR_Cの設定〕
設定項目 | 設定内容 | ||
---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_C | ||
ethernet0インタフェース | IPアドレス | 192.168.30.2/24 | |
ethernet1インタフェース | IPアドレス | 192.168.40.1/24 | |
OSPF | ルータID | 10.0.10.3 | |
ネットワーク | 192.168.30.0/24(エリア1) | ||
192.168.40.0/24(エリア1) | |||
スタブ | area1 | ||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
〔NXR_Aの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#router ospf
NXR_A(config-router)#router-id 10.0.10.1
NXR_A(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 0
NXR_A(config-router)#redistribute connected
NXR_A(config-router)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config
〔NXR_Bの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.2/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.30.1/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#router ospf
NXR_B(config-router)#router-id 10.0.10.2
NXR_B(config-router)#network 192.168.20.0/24 area 0
NXR_B(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 1
NXR_B(config-router)#area 1 stub
NXR_B(config-router)#exit
NXR_B(config)#fast-forwarding enable
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config
〔NXR_Cの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_C
NXR_C(config)#interface ethernet 0
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.30.2/24
NXR_C(config-if)#exit
NXR_C(config)#interface ethernet 1
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.40.1/24
NXR_C(config-if)#exit
NXR_C(config)#router ospf
NXR_C(config-router)#router-id 10.0.10.3
NXR_C(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 1
NXR_C(config-router)#network 192.168.40.0/24 area 1
NXR_C(config-router)#passive-interface ethernet 1
NXR_C(config-router)#area 1 stub
NXR_C(config-router)#exit
NXR_C(config)#fast-forwarding enable
NXR_C(config)#exit
NXR_C#save config
【 設定例解説 】
〔NXR_Aの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
4. <OSPF設定>
OSPFを有効にします。
ルータIDを設定します。
(☞) ルータIDは指定することを推奨します。
OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。
(☞) 指定したネットワークアドレスの範囲に含まれるインタフェースでOSPFが動作します。
コネクテッドルートをOSPFに再配信するよう設定します。
5. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR ,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
〔NXR_Bの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.2/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.30.1/24
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
4. <OSPF設定>
OSPFを有効にします。
ルータIDを設定します。
NXR_B(config-router)#network 192.168.30.0/24 area 1
OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。
エリア1をスタブエリアとして設定します。
5. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。
〔NXR_Cの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <ethernet0インタフェース設定>
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.30.2/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <ethernet1インタフェース設定>
NXR_C(config-if)#ip address 192.168.40.1/24
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
4. <OSPF設定>
OSPFを有効にします。
ルータIDを設定します。
NXR_C(config-router)#network 192.168.40.0/24 area 1
OSPFを有効にするネットワークアドレスおよびエリア番号を設定します。
Ethernet1インタフェースをパッシブインタフェースに設定します。
エリア1をスタブエリアとして設定します。
5. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。
【 端末の設定例 】
LAN_Aの端末 | LAN_Dの端末 | |
IP アドレス | 192.168.10.100 | 192.168.40.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 | |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 | 192.168.40.1 |
【 補足 】
スタブエリアでは外部経路がデフォルトルートとして通知されます。また外部経路と外部エリアの経路情報がデフォルトルートとして通知されるエリアとしてトータリースタブエリアがあります。
<トータリースタブエリアの設定>
(config-router)#area 1 stub no-summary
エリア1をトータリースタブエリアとして設定します。
(☞) トータリースタブはトータリースタブエリアに接続されたABRで設定します。
目次
更新情報
→ 一覧へ- 2024.10.25NXR,VXR
REST-API編
2-8. exec系,showコマンドの実行(maint/cli) - 2024.10.01NXR,VXR
ネットイベント編
3-19. DDNSクライアントの有効/無効化設定 - 2024.10.01NXR,VXR
運用管理編
11-3. センチュリー・テクニカルサポート情報の取得と転送 - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
2-18. センチュリー・テクニカルサポート情報の取得(maint/century-tech-support) - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
2-17. デバッグタイマの実行(maint/debug)
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