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- WANインタフェース編
FutureNet
NXR,WXRシリーズ
WANインタフェース編
8. 冗長化設定
8-8. メインEthernet+バックアップPPPモバイル構成(Ping監視)
この設定例ではメイン回線にEthernet、バックアップ回線にPPPモバイルを利用します。そして特定の宛先IPアドレスに対してPing監視を行い、疎通不可を検知した場合にのみバックアップ回線を接続します。
【 構成図 】
<正常時>
<Ping監視NG時>
- メイン回線であるethernet1インタフェースでの障害を検知するためにPing監視を行い、障害検知後、バックアップ回線であるppp0インタフェースを有効にし、通信を継続します。
- スタティックルート設定で、デフォルトルートのゲートウェイとしてppp0インタフェースを設定します。また、ethernet1インタフェースはDHCPでアドレス取得するため、スタティックルートは設定していません。
(☞) DHCPで取得したデフォルトゲートウェイ情報は、show ip default-gatewayコマンドで確認することができます。スタティックルートで設定したデフォルトルートと、show ip default-gatewayコマンドで表示されるデフォルトゲートウェイの両方がある場合、スタティックルートで設定したデフォルトルートが優先されます。
【 設定データ 】
設定項目 | 設定内容 | |||
---|---|---|---|---|
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.1/24 | ||
WAN側インタフェース | ethernet1インタフェース (メイン側) |
ethernet1のIPアドレス | 動的IPアドレス | |
IPマスカレード | 有効 | |||
SPIフィルタ | 有効 | |||
MSS自動調整 | オート | |||
mobile0 | ppp0 | |||
ppp0インタフェース (バックアップ側) |
ppp0のIPアドレス | 動的IPアドレス | ||
IPマスカレード | 有効 | |||
SPIフィルタ | 有効 | |||
MSS自動調整 | オート | |||
PPP接続用ユーザID | foma | |||
PPP接続用パスワード | foma | |||
APN | mopera.flat.foma.ne.jp | |||
CID | 5 | |||
PDPタイプ | IP | |||
発信用電話番号 | *99***5# | |||
ダイアルタイムアウト | 30秒 | |||
ネットイベント | No. | 1 | ||
動作 | connect | |||
スタティックルート | 宛先IPアドレス | 0.0.0.0/0 | ||
ゲートウェイ(インタフェース) | ppp0 | |||
トラック | No.1 | 監視方式 | ip reachability | |
宛先IPアドレス | 10.100.100.1 | |||
出力インタフェース | ethernet1 | |||
監視間隔 | 10秒 | |||
リトライ回数 | 4回 | |||
ディレイ | 61秒 | |||
モバイルエラーリカバリー | リセット | |||
LED | AUX1 | トラック1アップ時点灯 | ||
AUX2 | ppp0アップ時点灯 | |||
DNS | サービス | 有効 | ||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr120(config)#interface ethernet 0
nxr120(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxr120(config-if)#exit
nxr120(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
nxr120(config)#track 1 ip reachability 10.100.100.1 interface ethernet 1 10 4 delay 61
nxr120(config)#interface ethernet 1
nxr120(config-if)#ip address dhcp
nxr120(config-if)#ip masquerade
nxr120(config-if)#ip spi-filter
nxr120(config-if)#ip tcp adjust-mss auto
nxr120(config-if)#exit
nxr120(config)#ppp account username foma password foma
nxr120(config)#interface ppp 0
nxr120(config-ppp)#ip address negotiated
nxr120(config-ppp)#ip masquerade
nxr120(config-ppp)#ip spi-filter
nxr120(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxr120(config-ppp)#ppp username foma
nxr120(config-ppp)#mobile apn mopera.flat.foma.ne.jp cid 5 pdp-type ip
nxr120(config-ppp)#dial-up string *99***5#
nxr120(config-ppp)#dial-up timeout 30
nxr120(config-ppp)#netevent 1 connect
nxr120(config-ppp)#exit
nxr120(config)#mobile error-recovery-reset
nxr120(config)#mobile 0 ppp 0
nxr120(config)#system led aux 1 track 1
nxr120(config)#system led aux 2 interface ppp 0
nxr120(config)#dns
nxr120(config-dns)#service enable
nxr120(config-dns)#exit
nxr120(config)#fast-forwarding enable
nxr120(config)#exit
nxr120#save config
【 設定例解説 】
1. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
nxr120(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
2. <スタティックルート設定>
デフォルトルートを設定します。
3. <トラック設定(Ping監視)>
Ping監視設定をトラックNo.1に登録します。指定回数リトライ後、応答が得られない場合はダウン状態に遷移します。
(☞) インタフェース名を指定した場合は、そのインタフェースのIPアドレスが監視パケットの送信元IPアドレスとなります。
(☞) ディレイは、復旧時(ステータスがアップと認識した場合)から実際にアップ時の動作を実行するまでの遅延時間となります。そして、ディレイタイマが動作している場合はダウン状態が維持され、この間もPing監視は行われます。なお、ディレイタイマ中にダウンイベントを検知した場合は、ディレイタイマはキャンセルされます。そして、ディレイタイマがタイムアウトするとアップとなります。このときディレイタイマ中にカウントしたPing監視の失敗回数は0クリアされ、再度Ping監視が開始されます。
4. < WANメイン側(ethernet1)インタフェース設定>
nxr120(config-if)#ip address dhcp
ethernet1インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、dhcpを設定します。
nxr120(config-if)#ip spi-filter
nxr120(config-if)#ip tcp adjust-mss auto
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。また、TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
5. <PPPアカウント設定>
ppp0インタフェースで使用するPPP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
(☞) ここで設定したアカウントはppp0インタフェースの設定で利用します。
6. <WANバックアップ側(ppp0)インタフェース設定>
nxr120(config-ppp)#ip address negotiated
ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、negotiatedを設定します。
nxr120(config-ppp)#ip spi-filter
nxr120(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。また、TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
バックアップ回線のPPP接続用ユーザIDを設定します。
APN,CID,pdp-typeを設定します。
nxr120(config-ppp)#dial-up timeout 30
発信用の電話番号およびダイアルタイムアウトを設定します。
(☞) 電話番号の#の前の数字は、CIDを表しています。
ネットイベントを設定します。
trackコマンドで指定した監視方式で障害を検知した場合に、実行する動作を指定します。
ここでは、track 1コマンドで指定したping監視で障害(宛先IPアドレスへの疎通不可)を検知した場合、ppp0インタフェースでPPP接続を行います。
7. <モバイルエラーリカバリー設定>
モバイルデータ通信端末との通信に重大な問題が発生する可能性が高いと判断した場合、モバイルデータ通信端末のリセットを行うように設定します。
8. <モバイル割り当て設定>
mobile0と認識されているモバイルデータ通信端末とppp0インタフェースの関連づけを行います。
モバイルデータ通信端末をPPPインタフェースで使用する場合は、mobileコマンドによるPPPインタフェースへの関連付けが必要になります。
(☞) mobile0に割り当てられているモバイルデータ通信端末の情報は、show mobile 0コマンドで確認することができます。
9. <システムLED設定>
nxr120(config)#system led aux 2 interface ppp 0
トラック1のアップ/ダウンをaux1 LEDで、ppp0インタフェースのアップ/ダウンをaux2 LEDで表示するように設定します。
10. <DNS設定>
nxr120(config-dns)#service enable
DNSサービスを有効にします。
11. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
【 端末の設定例 】
IPアドレス | 192.168.10.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 |
DNS サーバ |
目次
- 1. Ethernet設定
- 2. PPPoE設定
- 3. モバイル設定(NTTドコモ編)
- 4. モバイル設定(KDDI編)
- 5. モバイル設定(ソフトバンク編)
- 6. モバイル設定(その他各種設定編)
- 7. WiMAX設定
- 8. 冗長化設定
- 冗長化設定一覧
- 8-1. PPPoE冗長化構成(回線冗長)
- 8-2. PPPoE冗長化構成(回線冗長)+ECMP設定
- 8-3. PPPoE冗長化構成(回線冗長)+PBR設定
- 8-4. メインPPPoE+バックアップEthernet構成
- 8-5. メインEthernet+バックアップPPPoE構成
- 8-6. メインPPPoE+バックアップPPPモバイル構成(リンク監視)
- 8-7. メインPPPoE+バックアップPPPモバイル構成(Ping監視)
- 8-8. メインEthernet+バックアップPPPモバイル構成(Ping監視)
- 8-9. メインPPPoE+バックアップWiMAX構成(Ping監視)
- 8-10. VRRP冗長化構成(メインPPPoE+バックアップモバイル)
- 8-11. VRRP冗長化構成(メインEthernet+バックアップモバイル)
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