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NXR,VXRシリーズ

WANインタフェース編

8. モバイル設定(その他各種設定編)

8-3. PPPオンデマンド接続設定

ある指定した宛先に対して通信を開始する際にPPP接続を開始する設定例です。これにより指定した宛先に対する通信が発生していない間は、PPP接続を行いません。また無通信切断タイマーにより一定時間無通信状態が継続すると、PPP回線を切断することも可能です。これにより例えば無駄なパケットによる課金を抑えることができ、従量課金のPPP回線を利用する場合にも有効です。

 

【 構成図 】

  • PPPオンデマンド接続設定と無通信切断タイマー(アイドルタイムアウト)を設定します。無通信切断タイマー経過後、PPP回線を切断し、再びオンデマンド状態となります。
  • この設定例ではNTTドコモXiデータ通信プランで接続します。MVNOなど接続先設定のパラメータの一例はこちら

 

【 設定データ 】

設定項目 設定内容
LAN側インタフェース ethernet0のIPアドレス 192.168.10.1/24
WAN側インタフェース mobile1 ppp0
ppp0のIPアドレス 動的IPアドレス
IPマスカレード 有効
SPIフィルタ 有効
TCP MSS自動調整 オート
PPP接続用ユーザID lte
PPP接続用パスワード lte
APN mopera.net
CID 1
PDPタイプ IP
発信用電話番号 *99***1#
ダイアルタイムアウト 30秒
オンデマンド接続 有効
アイドルタイムアウト 30秒
スタティックルート 宛先IPアドレス 0.0.0.0/0
ゲートウェイ(インタフェース) ppp0
モバイルエラーリカバリー リセット
モバイルターミネーションリカバリー リセット
DNS サービス 有効
DNSサーバ プライマリ プライマリDNSサーバアドレス

【 設定例 】

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#interface ethernet 0
nxrg100(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxrg100(config-if)#exit
nxrg100(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
nxrg100(config)#ppp account username lte password lte
nxrg100(config)#interface ppp 0
nxrg100(config-ppp)#ip address negotiated
nxrg100(config-ppp)#ip masquerade
nxrg100(config-ppp)#ip spi-filter
nxrg100(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxrg100(config-ppp)#ppp username lte
nxrg100(config-ppp)#mobile apn mopera.net cid 1 pdp-type ip
nxrg100(config-ppp)#dial-up string *99***1#
nxrg100(config-ppp)#dial-up timeout 30
nxrg100(config-ppp)#ppp on-demand
nxrg100(config-ppp)#ppp idle-timeout 30
nxrg100(config-ppp)#exit
nxrg100(config)#mobile error-recovery-reset
nxrg100(config)#mobile termination-recovery reset
nxrg100(config)#mobile 1 ppp 0
nxrg100(config)#dns
nxrg100(config-dns)#service enable
nxrg100(config-dns)#address [プライマリDNSサーバアドレス]
nxrg100(config-dns)#exit
nxrg100(config)#exit
nxrg100#save config

【 設定例解説 】

1. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
nxrg100(config)#interface ethernet 0
nxrg100(config-if)#ip address 192.168.10.1/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

 

2. <スタティックルート設定>
nxrg100(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0

デフォルトルートを設定します。

 

3. <PPPアカウント設定>
nxrg100(config)#ppp account username lte password lte

ppp0インタフェースで使用するPPP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
(☞) ここで設定したアカウントはppp0インタフェースの設定で利用します。
(☞) Xiデータプランでは通常ユーザID,パスワードは任意となりますので、ここではユーザIDをlte,パスワードをlteとします。

 

4. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>
nxrg100(config)#interface ppp 0
nxrg100(config-ppp)#ip address negotiated

ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合はnegotiatedを設定します。

nxrg100(config-ppp)#ip masquerade
nxrg100(config-ppp)#ip spi-filter
nxrg100(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto

IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。またTCP MSSの調整機能をオートに設定します。

nxrg100(config-ppp)#ppp username lte

PPP接続用ユーザIDを設定します。

nxrg100(config-ppp)#mobile apn mopera.net cid 1 pdp-type ip

APN,CID,pdp-typeを設定します。

nxrg100(config-ppp)#dial-up string *99***1#

発信用の電話番号を設定します。
(☞) 電話番号の#の前の数字はCIDを表しています。

nxrg100(config-ppp)#dial-up timeout 30

ダイアルタイムアウトを設定します。

nxrg100(config-ppp)#ppp on-demand

PPPオンデマンド接続を設定します。
(☞) ppp0インタフェースからパケットを送信する際にPPP回線の接続を開始します。

nxrg100(config-ppp)#ppp idle-timeout 30

アイドルタイムアウトを設定します。
(☞) 指定時間内にデータの送受信がなければ、PPP回線を切断し、再びオンデマンド状態に遷移します。

 

5. <モバイルエラーリカバリー設定>
nxrg100(config)#mobile error-recovery-reset

通信モジュールとの通信に重大な問題が発生する可能性が高いと判断した場合、通信モジュールのリセットを行うように設定します。

 

6. <モバイルターミネーションリカバリー設定>
nxrg100(config)#mobile termination-recovery reset

PPP接続時に網側から切断された場合、通信モジュールのリセットを行うように設定します。

 

7. <モバイル割り当て設定>
nxrg100(config)#mobile 1 ppp 0

mobile1と認識されている通信モジュールとppp0インタフェースの関連づけを行います。
通信モジュールをPPPインタフェースで使用する場合は、mobileコマンドによるPPPインタフェースへの関連付けが必要になります。
(☞) mobile1に割り当てられている通信モジュールはshow mobile 1コマンドで確認することができます。

 

8. <DNS設定>
nxrg100(config)#dns
nxrg100(config-dns)#service enable
nxrg100(config-dns)#address [プライマリDNSサーバアドレス]

DNSサービスを有効にします。またプライマリDNSサーバアドレスを設定します。
(☞) addressコマンドで静的にDNSサーバのIPアドレスを設定せずに、ルートDNSサーバを有効にして利用することも可能です。

 

【 端末の設定例 】

IPアドレス 192.168.10.100
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.1
DNSサーバ