FutureNet
NXR,VXRシリーズ
IPsec編
2. Policy Based IPsec設定
2-4. X.509(デジタル署名認証)方式での接続設定
対向ルータのIKE認証にX.509(デジタル署名認証)方式を利用する設定例です。 認証で利用する証明書や鍵は、FutureNet RAシリーズや別途CA等で事前に用意しておく必要があります(ルータでは証明書の発行を行うことはできません)。またX.509方式を利用する場合、IKEフェーズ1でメインモードを使用する必要があります。
【 IPsec機能対応機種 】NXR-1300シリーズ,NXR-650,NXR-610Xシリーズ,NXR-530,NXR-350/C,NXR-230/C,NXR-160/LW,NXR-G180/L-CA,NXR-G200シリーズ,NXR-G110シリーズ,NXR-G100シリーズ,NXR-G050シリーズ,VXRシリーズ(2022/7現在)
設定例で使用している機能の対応状況は、各製品の更新履歴やユーザーズガイドをご確認ください。
コンテンツ | ||||
構成図 | 設定例 | 設定例解説 | 端末の設定例 | 付録 |
【 構成図 】
- この例では証明書のインポートをストレージから行いますが、それ以外にもFTPやSSHによるインポートが可能です。
- この例では証明書の拡張子としてpemを使用します。
(☞) 証明書はDERまたはPEMフォーマットである必要があります。なおどのフォーマットの証明書かどうかは、ファイルの拡張子で自動的に判断されます。よってPEMの場合はpem,DERの場合は、derまたcerの拡張子でなければなりません。またシングルDESで暗号化された鍵ファイルは、使用することができません。
【 設定例 】
〔 NXR_Aの設定 〕
nxr650(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#ip route 203.0.113.5/32 203.0.113.2
NXR_A(config)#ipsec x509 enable
NXR_A(config)#ipsec x509 ca-certificate NXR disk0:nxrCA.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 crl NXR disk0:nxrCRL.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 certificate NXRA disk0:nxraCert.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 private-key NXRA key disk0:nxraKey.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 private-key NXRA password [NXR_Aの秘密鍵パスフレーズ]
NXR_A(config)#ipsec access-list IPsec_ACL ip 192.168.10.0/24 192.168.20.0/24
NXR_A(config)#ipsec local policy 1
NXR_A(config-ipsec-local)#address ip
NXR_A(config-ipsec-local)#x509 certificate NXRA
NXR_A(config-ipsec-local)#self-identity dn /C=JP/CN=nxra
NXR_A(config-ipsec-local)#exit
NXR_A(config)#ipsec isakmp policy 1
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#description NXR_B
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#authentication rsa-sig
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#hash sha256
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#encryption aes128
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#group 5
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#lifetime 86400
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#isakmp-mode main
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#remote address ip 203.0.113.5
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#remote identity dn /C=JP/CN=nxrb
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#keepalive 30 3 periodic restart
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#local policy 1
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#exit
NXR_A(config)#ipsec tunnel policy 1
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#description NXR_B
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#negotiation-mode auto
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set transform esp-aes128 esp-sha256-hmac
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set pfs group5
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set sa lifetime 28800
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set key-exchange isakmp 1
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#match address IPsec_ACL
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 203.0.113.1/30
NXR_A(config-if)#ipsec policy 1
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config
〔 NXR_Bの設定 〕
nxr530(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#ip route 203.0.113.1/32 203.0.113.6
NXR_B(config)#ipsec x509 enable
NXR_B(config)#ipsec x509 ca-certificate NXR disk0:nxrCA.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 crl NXR disk0:nxrCRL.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 certificate NXRB disk0:nxrbCert.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 private-key NXRB key disk0:nxrbKey.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 private-key NXRB password [NXR_Bの秘密鍵パスフレーズ]
NXR_B(config)#ipsec access-list IPsec_ACL ip 192.168.20.0/24 192.168.10.0/24
NXR_B(config)#ipsec local policy 1
NXR_B(config-ipsec-local)#address ip
NXR_B(config-ipsec-local)#x509 certificate NXRB
NXR_B(config-ipsec-local)#self-identity dn /C=JP/CN=nxrb
NXR_B(config-ipsec-local)#exit
NXR_B(config)#ipsec isakmp policy 1
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#description NXR_A
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#authentication rsa-sig
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#hash sha256
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#encryption aes128
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#group 5
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#lifetime 86400
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#isakmp-mode main
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#remote address ip 203.0.113.1
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#remote identity dn /C=JP/CN=nxra
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#keepalive 30 3 periodic restart
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#local policy 1
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#exit
NXR_B(config)#ipsec tunnel policy 1
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#description NXR_A
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#negotiation-mode auto
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set transform esp-aes128 esp-sha256-hmac
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set pfs group5
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set sa lifetime 28800
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set key-exchange isakmp 1
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#match address IPsec_ACL
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address 203.0.113.5/30
NXR_B(config-if)#ipsec policy 1
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#fast-forwarding enable
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config
【 設定例解説 】
〔 NXR_Aの設定 〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <スタティックルート設定>
203.0.113.5/32向けのルートを設定します。
4. <X.509の有効化および証明書等の設定>
X.509機能を有効にします。
外部ストレージ(disk0)上のCA証明書ファイルをインポートします。
外部ストレージ(disk0)上のCRLファイルをインポートします。
外部ストレージ(disk0)上のNXR_A用公開鍵証明書ファイルをインポートします。
外部ストレージ(disk0)上のNXR_A用秘密鍵ファイルをインポートします。
NXR_A用秘密鍵のパスフレーズを設定します。
5. <IPsecアクセスリスト設定>
IPsecアクセスリストIPsec_ACLを以下のルールで設定します。
- 送信元IPアドレス … 192.168.10.0/24
- 宛先IPアドレス … 192.168.20.0/24
(☞) Policy Based IPsecでは、IPsecアクセスリストで設定したルールに基づきIPsecでESP化するか否かを決定します。
6. <IPsecローカルポリシー設定>
NXR_A(config-ipsec-local)#address ip
IPsecトンネルの送信元IPアドレスにipを設定します。
X.509で利用する証明書を指定します。
(☞) <X.509の有効化および証明書等の設定>で設定したNXRAを設定します。
セルフIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_BのIPsec ISAKMPポリシー1のリモートIDと同じIDを設定します。
(☞) X.509ではルータのidentityをDN方式で設定する必要があります。よって設定前に証明書のDNまたはsubject等をご確認下さい。なおX.509を利用する場合、identity設定は必須になります。
7. <IPsec ISAKMPポリシー設定>
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#description NXR_B
ISAKMPポリシー1の説明文を設定します。
認証方式をrsa-sigに設定します。
認証アルゴリズムをsha256に設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128に設定します。
Diffie-Hellman(DH)グループをgroup 5に設定します。
ISAKMP SAのライフタイムを設定します。
フェーズ1のネゴシエーションモードをメインモードに設定します。
リモートアドレスにNXR_BのWAN側IPアドレスを設定します。
リモートIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_BのセルフIDと同じIDを設定します。
IKE KeepAlive(DPD)を以下のルールで設定します。
- 監視間隔 … 30秒
- リトライ回数 … 3回
- ダウン検知後の動作 … IKEの再ネゴシエーション
このIPsec ISAKMPポリシーで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
8. <IPsec トンネルポリシー設定>
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#description NXR_B
IPsecトンネルポリシー1の説明文を設定します。
ネゴシエーションモードをautoに設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128、認証アルゴリズムをsha256に設定します。
PFSを有効、DHグループをgroup5に設定します。
IPsec SAのライフタイムを設定します。
このIPsecトンネルポリシーで使用するIPsec ISAKMPポリシーを設定します。
IPsecアクセスリストを設定します。
9. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 203.0.113.1/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
このインタフェースで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
10. <ファストフォワーディング設定>
ファストフォワーディングを有効にします。
11. <設定の保存>
設定内容を保存します。
〔 NXR_Bの設定 〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <スタティックルート設定>
203.0.113.1/32向けのルートを設定します。
4. <X.509の有効化および証明書等の設定>
X.509機能を有効にします。
外部ストレージ(disk0)上のCA証明書ファイルをインポートします。
外部ストレージ(disk0)上のCRLファイルをインポートします。
外部ストレージ(disk0)上のNXR_B用公開鍵証明書ファイルをインポートします。
外部ストレージ(disk0)上のNXR_B用秘密鍵ファイルをインポートします。
NXR_B用秘密鍵のパスフレーズを設定します。
5. <IPsecアクセスリスト設定>
IPsecアクセスリストIPsec_ACLを以下のルールで設定します。
- 送信元IPアドレス … 192.168.20.0/24
- 宛先IPアドレス … 192.168.10.0/24
6. <IPsecローカルポリシー設定>
NXR_B(config-ipsec-local)#address ip
IPsecトンネルの送信元IPアドレスにipを設定します。
X.509で利用する証明書を指定します。
セルフIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_AのIPsec ISAKMPポリシー1のリモートIDと同じIDを設定します。
7. <IPsec ISAKMPポリシー設定>
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#description NXR_A
ISAKMPポリシー1の説明文を設定します。
認証方式をrsa-sigに設定します。
認証アルゴリズムをsha256に設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128に設定します。
DHグループをgroup 5に設定します。
ISAKMP SAのライフタイムを設定します。
フェーズ1のネゴシエーションモードをメインモードに設定します。
リモートアドレスにNXR_AのWAN側IPアドレスを設定します。
リモートIDをDN方式で設定します。
(☞) NXR_AのセルフIDと同じIDを設定します。
IKE KeepAlive(DPD)を以下のルールで設定します。
- 監視間隔 … 30秒
- リトライ回数 … 3回
- ダウン検知後の動作 … IKEの再ネゴシエーション
このIPsec ISAKMPポリシーで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
8. <IPsec トンネルポリシー設定>
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#description NXR_A
IPsecトンネルポリシー1の説明文を設定します。
ネゴシエーションモードをautoに設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128、認証アルゴリズムをsha256に設定します。
PFSを有効、DHグループをgroup5に設定します。
IPsec SAのライフタイムを設定します。
このIPsecトンネルポリシーで使用するIPsec ISAKMPポリシーを設定します。
IPsecアクセスリストを設定します。
9. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 203.0.113.5/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
このインタフェースで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
10. <ファストフォワーディング設定>
ファストフォワーディングを有効にします。
11. <設定の保存>
設定内容を保存します。
【 端末の設定例 】
192.168.10.0/24 | 192.168.20.0/24 | |
IPアドレス | 192.168.10.100 | 192.168.20.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 | |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 | 192.168.20.1 |
【 付録 】
目次
更新情報
→ 一覧へ- 2024.10.01NXR,VXR
ネットイベント編
3-19. DDNSクライアントの有効/無効化設定 - 2024.10.01NXR,VXR
運用管理編
11-3. センチュリー・テクニカルサポート情報の取得と転送 - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
2-18. センチュリー・テクニカルサポート情報の取得(maint/century-tech-support) - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
2-17. デバッグタイマの実行(maint/debug) - 2024.09.18NXR,VXR
REST-API編
12-10. SSHクライアント設定(ssh-client)
カテゴリ
タグ
- CRG
- DDNS
- DHCP
- DNAT
- DNSインターセプト
- Ethernet
- IIJモバイル
- IKE Modeconfig
- IKEv2 Configuration Payload
- IPinIP
- IPoE
- IPv6
- KDDI
- L2TPv3
- MAP-E
- NGN
- NTTドコモ
- PBR
- Policy Based IPsec
- PPP
- PPPoE
- QoS
- RADIUS連携
- RAシリーズ
- Route Based IPsec
- SMS
- SNAT
- SoftBank
- UPnP
- URL転送
- VLAN
- VRRP
- Web認証
- WiMAX
- コンフィグロールバック
- ネットイベント
- フィルタ
- ブリッジ
- モニタログ
- ワイモバイル
- 仮想スイッチ
- 冗長化
- 無線LAN