NXR,VXRシリーズ

1-1. ネットイベント機能とは

ネットイベント機能とはユーザが指定した監視対象の状態変化を検知した際に、PPP回線の接続やIPsec SAの確立、VRRPの優先度変更などの処理を行うことができる機能です。トラック設定を追加した段階ではトラック状態はアップ（またはイニット）となり、その後発生したイベントによってダウン（またはアップ）状態へ遷移し、そのトラックに関連づけられたアクションが実行されます。なおすでにイベントダウンが発生している状態で、新規にトラックやアクションを追加した場合、該当するダウンアクションが実行されます。

1. 監視対象（トラック）項目について
   ※指定可能なトラック項目は各製品ごとに異なります。

   監視項目	説明
   インタフェースリンク監視	インタフェースのリンク状態（アップ/ダウン）を監視します
   IKE SA監視	IKE SAの状態（アップ/ダウン）を監視します
   Ping（IPv4,IPv6）監視	ホストへのip reachability（到達性）を監視します
   VRRP状態監視	マスタからバックアップ/イニットへの変化、またはバックアップ/イニットから マスタへの変化を監視します
   OSPFネイバー監視	指定したルータIDとのネイバー確立後から他のステートへの変化を監視します
   BGPピア監視	指定したピアIP/IPv6とのネイバー確立後から他のステートへの変化を監視します
   システムレジューム監視	システムのスリープ状態からのレジュームを監視します
   IPネイバー監視	ホストに対してARP Request/Reply,IPv6 Neighbor Solicitation/Advertiseを使用して 監視します

2. アクション項目について
   ※指定可能なアクション項目は各製品ごとに異なります。

   アクション項目	説明
   VRRP優先度変更	VRRPの優先度を指定した値に変更することができます
   IPsecトンネルの確立/削除/再接続	ISAKMP単位でIPsecトンネルの確立/削除/再接続を行うことができます
   PPP,PPPoEの接続/切断/再接続	PPP,PPPoEの接続/切断/再接続を行うことができます
   WiMAXの接続/切断/再接続	WiMAXの接続/切断/再接続を行うことができます
   トンネルインタフェースのアップ/ダウン	トンネルインタフェースのアップ/ダウンを行うことができます
   L2TPv3トンネルの切断	PPPインタフェースのリンク監視時にL2TPv3トンネルの切断を行う ことができます
   IPsecローカルポリシーの変更	IPsec ISAKMPポリシーで指定したIPsecローカルポリシーを変更する ことができます
   IPsec ISAKMPポリシーの変更	IPsecトンネルポリシーで指定したIPsec ISAKMPポリシーを変更する ことができます
   システム再起動	システムを再起動することができます
   内蔵通信モジュール/モバイル通信端末の リセット	内蔵通信モジュール/モバイル通信端末のリセットを行うことができます ※WiMAX通信モジュールは除く
   WiMAX通信モジュールのリセット	WiMAX通信モジュールのリセットを行うことができます
   BGPアドバタイズストップ	BGPのnetwork設定で指定したBGPルートの配信を停止することが できます
   IPv4スタティックルートの有効/無効化	IPv4スタティックルートの有効/無効化を行うことができます
   PBRルートの有効/無効化	PBR（ポリシベースルーティング）ルートの有効/無効化を行うことが できます

3. トラックとアクションの設定上の注意点
   トラックとアクションの動作対象が同じ場合、復旧動作ができないためトラックとアクションで動作対象が同じものを設定しないでください。
   例えば以下のように設定した場合、VRRPマスタへ復帰することができなくなります。
   (config)#interface ethernet 0
   (config-if)#ip address 192.168.10.1/24
   (config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
   (config-if)#vrrp ip 1 netevent 1 priority 10
   (config-if)#exit
   (config)#track 1 vrrp ip 1 interface ethernet 0