FutureNet
NXR,VXRシリーズ
IPsec編
6. IKEv2設定
6-3. X.509(デジタル署名認証)でのIKEv2接続設定
IKEv2で認証方式にデジタル署名を使用する設定例です。
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構成図 | 設定例 | 設定例解説 | 端末の設定例 | 補足 | 付録 |
【 構成図 】
- 認証で利用する証明書等は、FutureNet RAシリーズや別途CA等で事前に用意しておく必要があります(ルータでは証明書の発行を行うことはできません)。
- この設定例では各証明書の拡張子としてpemを使用します。
(☞) 各証明書はDERまたはPEMフォーマットである必要があります。なお、どのフォーマットの証明書かどうかはファイルの拡張子で自動的に判断されます。よって、PEMの場合はpem,DERの場合はderまたcerの拡張子の必要があります。またシングルDESで暗号化された鍵ファイルは使用することができません。 - この例では各証明書のインポートを外部ストレージから行いますが、それ以外にもFTPおよびSSHによるインポートが可能です。
- この例ではリキーのタイミングで再認証(reauth)を行います。詳しくはこちら
【 設定例 】
〔NXR_Aの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr650(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#ip route 192.168.20.0/24 tunnel 1 1
NXR_A(config)#ip route 192.168.20.0/24 null 254
NXR_A(config)#ip route 203.0.113.5/32 203.0.113.2
NXR_A(config)#ipsec x509 enable
NXR_A(config)#ipsec x509 ca-certificate nxr disk0:nxrCA.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 crl nxr disk0:nxrCRL.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 certificate nxra disk0:nxraCert.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 private-key nxra key disk0:nxraKey.pem
NXR_A(config)#ipsec x509 private-key nxra password nxrapass
NXR_A(config)#ipsec access-list ipsec_acl ip any any
NXR_A(config)#ipsec local policy 1
NXR_A(config-ipsec-local)#address ip
NXR_A(config-ipsec-local)#x509 certificate nxra
NXR_A(config-ipsec-local)#self-identity dn /C=JP/CN=nxra
NXR_A(config-ipsec-local)#exit
NXR_A(config)#ipsec isakmp policy 1
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#description NXR_B
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#version 2
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#authentication rsa-sig
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#hash sha256
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#encryption aes128
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#group 5
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#lifetime 86400
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#remote address ip 203.0.113.5
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#remote identity dn /C=JP/CN=nxrb
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#keepalive 30 3 periodic restart
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#local policy 1
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#exit
NXR_A(config)#interface tunnel 1
NXR_A(config-tunnel)#tunnel mode ipsec ipv4
NXR_A(config-tunnel)#tunnel protection ipsec policy 1
NXR_A(config-tunnel)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_A(config-tunnel)#exit
NXR_A(config)#ipsec tunnel policy 1
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#description NXR_B
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#negotiation-mode auto
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set transform esp-aes128 esp-sha256-hmac
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set pfs group5
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set sa lifetime 28800
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#set key-exchange isakmp 1
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#match address ipsec_acl
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 203.0.113.1/30
NXR_A(config-if)#ipsec policy 1
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config
〔NXR_Bの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#ip route 192.168.10.0/24 tunnel 1 1
NXR_B(config)#ip route 192.168.10.0/24 null 254
NXR_B(config)#ip route 203.0.113.1/32 203.0.113.6
NXR_B(config)#ipsec x509 enable
NXR_B(config)#ipsec x509 ca-certificate nxr disk0:nxrCA.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 crl nxr disk0:nxrCRL.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 certificate nxrb disk0:nxrbCert.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 private-key nxrb key disk0:nxrbKey.pem
NXR_B(config)#ipsec x509 private-key nxrb password nxrbpass
NXR_B(config)#ipsec access-list ipsec_acl ip any any
NXR_B(config)#ipsec local policy 1
NXR_B(config-ipsec-local)#address ip
NXR_B(config-ipsec-local)#x509 certificate nxrb
NXR_B(config-ipsec-local)#self-identity dn /C=JP/CN=nxrb
NXR_B(config-ipsec-local)#exit
NXR_B(config)#ipsec isakmp policy 1
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#description NXR_A
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#version 2
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#authentication rsa-sig
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#hash sha256
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#encryption aes128
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#group 5
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#lifetime 86400
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#remote address ip 203.0.113.1
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#remote identity dn /C=JP/CN=nxra
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#keepalive 30 3 periodic restart
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#local policy 1
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#exit
NXR_B(config)#interface tunnel 1
NXR_B(config-tunnel)#tunnel mode ipsec ipv4
NXR_B(config-tunnel)#tunnel protection ipsec policy 1
NXR_B(config-tunnel)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_B(config-tunnel)#exit
NXR_B(config)#ipsec tunnel policy 1
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#description NXR_A
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#negotiation-mode auto
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set transform esp-aes128 esp-sha256-hmac
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set pfs group5
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set sa lifetime 28800
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#set key-exchange isakmp 1
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#match address ipsec_acl
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address 203.0.113.5/30
NXR_B(config-if)#ipsec policy 1
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#fast-forwarding enable
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config
【 設定例解説 】
〔NXR_Aの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <スタティックルート設定>
NXR_A(config)#ip route 192.168.20.0/24 null 254
192.168.20.0/24向けのルートを設定します。
(☞) Child SA確立時はトンネル1インタフェースを、未確立時はnullインタフェースのルートを利用するように設定します。
203.0.113.5/32向けのルートを設定します。
4. <X.509の設定>
X.509機能を有効にします。
CA証明署名をnxrとし、ストレージ(以下disk0)上にあるCA証明書ファイルnxrCA.pemをインポートします。
失効リスト名をnxrとし、disk0上にあるCRLファイルnxrCRL.pemをインポートします。
公開鍵証明書名をnxraとし、disk0上にあるNXR_A用公開鍵証明書ファイルnxraCert.pemをインポートします。
秘密鍵名をnxraとし、disk0上にあるNXR_A用秘密鍵ファイルnxraKey.pemをインポートします。
秘密鍵名をnxraとし、NXR_A用秘密鍵のパスフレーズを設定します。
(☞) パスフレーズを暗号化する場合はhiddenオプションを設定します。
5. <IPsecアクセスリスト設定>
送信元,宛先IPアドレスともにanyのIPsecアクセスリストipsec_aclを設定します。
6. <IPsecローカルポリシー設定>
NXR_A(config-ipsec-local)#address ip
IPsecトンネルの送信元IPアドレスにip(IPv4)を設定します。
X.509で利用する証明書を指定します。
(☞) 「4. <X.509の設定>」で設定した公開鍵証明書名を指定します。
セルフIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_BのIPsec ISAKMPポリシー1のリモートIDと同じIDを設定します。なおX.509ではルータのidentityをDN方式で設定する必要があります。よって設定前に証明書のDNまたはsubject等を確認して下さい。なおX.509を利用する場合、identity設定は必須になります。
7. <IPsec ISAKMPポリシー設定>
NXR_A(config-ipsec-isakmp)#description NXR_B
ISAKMPポリシー1の説明文を設定します。
IKEのバージョンを設定します。
認証方式にX.509を利用する場合、rsa-sigを設定します。
認証アルゴリズムをsha256に設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128に設定します。
DH(Diffie-Hellman)グループをgroup 5に設定します。
IKE SAのライフタイムを設定します。
リモートアドレスにNXR_BのWAN側IPアドレスを設定します。
リモートIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_Bのipsec local policy 1のセルフIDと同じIDを設定します。
IKE KeepAlive(DPD)を監視間隔30秒、リトライ回数3回、keepalive失敗時にSAを削除しIKEのネゴシエーションを開始するように設定します。
このIPsec ISAKMPポリシーで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
8. <トンネル1インタフェース設定>
NXR_A(config-tunnel)#tunnel mode ipsec ipv4
トンネル1インタフェースのトンネルモードをipsec ipv4に設定します。
このトンネルインタフェースで使用するIPsecトンネルポリシーを設定します。
TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
9. <IPsec トンネルポリシー設定>
NXR_A(config-ipsec-tunnel)#description NXR_B
IPsecトンネルポリシー1の説明文を設定します。
ネゴシエーションモードをautoに設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128、認証アルゴリズムをsha256に設定します。
PFSを有効、DHグループをgroup5に設定します。
Child SAのライフタイムを設定します。
このIPsecトンネルポリシーで使用するIPsec ISAKMPポリシーを設定します。
IPsecアクセスリストを設定します。
10. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 203.0.113.1/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
このインタフェースで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
11. <ファストフォワーディング設定>
ファストフォワーディングを有効にします。
12. <設定の保存>
設定内容を保存します。
〔NXR_Bの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.20.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <スタティックルート設定>
NXR_B(config)#ip route 192.168.10.0/24 null 254
192.168.10.0/24向けのルートを設定します。
203.0.113.1/32向けのルートを設定します。
4. <X.509の設定>
X.509機能を有効にします。
CA証明署名をnxrとし、disk0上にあるCA証明書ファイルnxrCA.pemをインポートします。
失効リスト名をnxrとし、disk0上にあるCRLファイルnxrCRL.pemをインポートします。
公開鍵証明書名をnxrbとし、disk0上にあるNXR_B用公開鍵証明書ファイルnxrbCert.pemをインポートします。
秘密鍵名をnxrbとし、disk0上にあるNXR_B用秘密鍵ファイルnxrbKey.pemをインポートします。
秘密鍵名をnxrbとし、NXR_B用秘密鍵のパスフレーズを設定します。
5. <IPsecアクセスリスト設定>
送信元,宛先IPアドレスともにanyのIPsecアクセスリストipsec_aclを設定します。
6. <IPsecローカルポリシー設定>
NXR_B(config-ipsec-local)#address ip
IPsecトンネルの送信元IPアドレスにip(IPv4)を設定します。
X.509で利用する証明書を指定します。
セルフIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_AのIPsec ISAKMPポリシー1のリモートIDと同じIDを設定します。
7. <IPsec ISAKMPポリシー設定>
NXR_B(config-ipsec-isakmp)#description NXR_A
ISAKMPポリシー1の説明文を設定します。
IKEのバージョンを設定します。
認証方式にX.509を利用する場合、rsa-sigを設定します。
認証アルゴリズムをsha256に設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128に設定します。
DHグループをgroup 5に設定します。
IKE SAのライフタイムを設定します。
リモートアドレスにNXR_AのWAN側IPアドレスを設定します。
リモートIDをDN(Distinguished Name)方式で設定します。
(☞) NXR_Aのipsec local policy 1のセルフIDと同じIDを設定します。
IKE KeepAlive(DPD)を監視間隔30秒、リトライ回数3回、keepalive失敗時にSAを削除しIKEのネゴシエーションを開始するように設定します。
このIPsec ISAKMPポリシーで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
8. <トンネル1インタフェース設定>
NXR_B(config-tunnel)#tunnel mode ipsec ipv4
トンネル1インタフェースのトンネルモードをipsec ipv4に設定します。
このトンネルインタフェースで使用するIPsecトンネルポリシーを設定します。
TCP MSSの調整機能をオートに設定します。
9. <IPsec トンネルポリシー設定>
NXR_B(config-ipsec-tunnel)#description NXR_A
IPsecトンネルポリシー1の説明文を設定します。
ネゴシエーションモードをautoに設定します。
暗号化アルゴリズムをaes128、認証アルゴリズムをsha256に設定します。
PFSを有効、DHグループをgroup5に設定します。
Child SAのライフタイムを設定します。
このIPsecトンネルポリシーで使用するIPsec ISAKMPポリシーを設定します。
IPsecアクセスリストを設定します。
10. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 203.0.113.5/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
このインタフェースで使用するIPsecローカルポリシーを設定します。
11. <ファストフォワーディング設定>
ファストフォワーディングを有効にします。
12. <設定の保存>
設定内容を保存します。
【 端末の設定例 】
192.168.10.0/24 | 192.168.20.0/24 | |
IPアドレス | 192.168.10.100 | 192.168.20.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 | |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 | 192.168.20.1 |
【 補足 】
この例では、リキーのタイミングで再認証を行います。再認証時は、IKE SAのリキー時にChild SAの再作成が行われます。なお負荷を考慮する場合は、再認証を無効にして下さい。
再認証を無効にする設定は、IPsec ISAKMPポリシー設定で行います。
リキー時の再認証を無効にします。
【 付録 】
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