FutureNet
NXR,VXRシリーズ
QoS編
2. 優先制御設定
2-2. 帯域制御と優先制御の併用
この設定例では帯域制御機能で作成した特定のクラスのキューイング方式をプライオリティキューイングとすることでクラス内で優先制御を行います。
【 構成図 】
- 出力インタフェース(Ethernet1インタフェース)の帯域幅を契約帯域に合わせて20Mbpsに設定します。
- クラスをクラス10とデフォルトクラスの2つに分け、それぞれの帯域幅を出力インタフェースの帯域幅の30%と70%に設定します。
- Ethernet0インタフェースで受信する全てのUDPパケットにマーク値10を、ICMPパケットにマーク値20を設定します。
- マーク値10,20のパケットをクラス10に割り当てます。またそれ以外のパケットはデフォルトクラスに割り当てます。
- クラス10のキューイング方式をプライオリティ キューイングとします。そしてマーク値10のパケットはHighクラスに、マーク値20のパケットはLowクラスに格納します。
【 設定データ 】
設定項目 | 設定内容 | |||
---|---|---|---|---|
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.1/24 | ||
classify | input | qos_routemap | ||
WAN側インタフェース | ethernet1のIPアドレス | 10.10.10.1/30 | ||
QoS | キューイング | クラスポリシ | ||
クラスポリシ名 | eth1qos | |||
帯域幅 | 20Mbps(20000kbps) | |||
ifg-pa-fcs | 有効 | |||
スタティックルート | 宛先IPアドレス | 0.0.0.0 | ||
ゲートウェイ(IPアドレス) | 10.10.10.2 | |||
クラスアクセスリスト | アクセスリスト名 | class_acl1 | ||
class_acl1 | 送信元IPアドレス | any | ||
宛先IPアドレス | any | |||
プロトコル | UDP | |||
アクセスリスト名 | class_acl2 | |||
class_acl2 | 送信元IPアドレス | any | ||
宛先IPアドレス | any | |||
プロトコル | ICMP | |||
ルートマップ | ルートマップ名 | qos_routemap | ||
qos_routemap | No.1 | マッチIPアドレス | class_acl1 | |
セット(mark) | 10 | |||
No.2 | マッチIPアドレス | class_acl2 | ||
セット(mark) | 20 | |||
クラスフィルタ | クラスナンバ | 10 | ||
クラス10 | マッチ条件 | 10(mark) | ||
マッチ条件 | 20(mark) | |||
プライオリティマップ | ナンバ | 1 | ||
プライオリティマップ1 | No.1 | クラス | High | |
マッチ条件 | 10(mark) | |||
No.2 | クラス | Low | ||
マッチ条件 | 20(mark) | |||
クラスポリシ | ポリシ名 | eth1qos | ||
eth1qos | No.1 | クラス | 10 | |
帯域幅 | 30% | |||
キューイング方式 | プライオリティ キューイング | |||
プライオリティマップ | 1 | |||
No.2 | クラス | デフォルト | ||
帯域幅 | 70% | |||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr230(config)#class access-list class_acl1 ip any any udp
nxr230(config)#class access-list class_acl2 ip any any icmp
nxr230(config)#route-map qos_routemap permit 1
nxr230(config-route-map)#match ip address class_acl1
nxr230(config-route-map)#set mark 10
nxr230(config-route-map)#exit
nxr230(config)#route-map qos_routemap permit 2
nxr230(config-route-map)#match ip address class_acl2
nxr230(config-route-map)#set mark 20
nxr230(config-route-map)#exit
nxr230(config)#class filter 10
nxr230(config-class-filter)#match ip mark 10
nxr230(config-class-filter)#match ip mark 20
nxr230(config-class-filter)#exit
nxr230(config)#priority-map 1 high ip mark 10
nxr230(config)#priority-map 1 low ip mark 20
nxr230(config)#class policy eth1qos
nxr230(config-class-policy)#class 10 bandwidth percent 30 queue priority-group 1
nxr230(config-class-policy)#class default bandwidth percent 70
nxr230(config-class-policy)#exit
nxr230(config)#interface ethernet 0
nxr230(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxr230(config-if)#classify input route-map qos_routemap
nxr230(config-if)#exit
nxr230(config)#interface ethernet 1
nxr230(config-if)#ip address 10.10.10.1/30
nxr230(config-if)#queue policy eth1qos bandwidth 20000 ifg-pa-fcs
nxr230(config-if)#exit
nxr230(config)#ip route 0.0.0.0/0 10.10.10.2
nxr230(config)#fast-forwarding enable
nxr230(config)#exit
nxr230#save config
【 設定例解説 】
1. <クラスアクセスリスト設定>
クラスアクセスリスト名をclass_acl1とし、UDPパケット全てが対象となるように設定します。
クラスアクセスリスト名をclass_acl2とし、ICMPパケット全てが対象となるように設定します。
2. <ルートマップ設定>
ルートマップ名をqos_routemapとし、No.1のルールを作成します。
マッチ条件としてクラスアクセスリストで設定したclass_acl1を設定します。
該当条件にマッチした場合、マーク値10を設定します。
(☞) markはルータ内でのみ利用可能なマーキング値です。
(☞) ルートマップ設定を設定しただけではパケット分類は適切に機能しません。パケット分類を行うインタフェースでルートマップの登録が必要になります。
nxr230(config-route-map)#match ip address class_acl2
nxr230(config-route-map)#set mark 20
次にルートマップ名qos_routemapにNo.2のルールを作成します。
マッチ条件としてクラスアクセスリストで設定したclass_acl2を、該当条件にマッチした場合マーク値20を設定します。
3. <クラスフィルタ設定>
nxr230(config-class-filter)#match ip mark 10
nxr230(config-class-filter)#match ip mark 20
マーク値10,20のパケットをクラス10に割り当てるように設定します。
4. <プライオリティマップ設定>
nxr230(config)#priority-map 1 low ip mark 20
プライオリティマップ1を作成し、マーク値10のパケットをHighクラスに、マーク値20のパケットをLowクラスに格納するように設定します。
5. <クラスポリシ設定>
クラスポリシ名としてeth1qosを設定します。
クラス10の帯域幅を設定します。またこのクラスのキューイング方式としてPQを利用するため、プライオリティグループを設定します。
(☞) パーセンテージはインタフェースで設定する帯域幅に対する絶対比となります。
デフォルトクラスの帯域幅を設定します。
6. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
nxr230(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
パケット受信時にルートマップによるパケット分類を行うように設定します。
7. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
nxr230(config-if)#ip address 10.10.10.1/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
出力インタフェースのキューイング方式、クラスポリシおよび帯域幅を設定します。またシェーピングレートの計算時にIFG,プリアンブル,FCSをフレームサイズに加えるように設定します。
(☞) 帯域幅の単位はkbpsになります。
8. <スタティックルート設定>
デフォルトルートを設定します。
9. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
【 端末の設定例 】
IPアドレス | 192.168.10.100 | |
サブネットマスク | 255.255.255.0 | |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 |
更新情報
→ 一覧へカテゴリ
タグ
- CRG
- DDNS
- DHCP
- DNAT
- DNSインターセプト
- Ethernet
- IIJモバイル
- IKE Modeconfig
- IKEv2 Configuration Payload
- IPinIP
- IPoE
- IPv6
- KDDI
- L2TPv3
- MAP-E
- NGN
- NTTドコモ
- PBR
- Policy Based IPsec
- PPP
- PPPoE
- QoS
- RADIUS連携
- RAシリーズ
- Route Based IPsec
- SMS
- SNAT
- SoftBank
- UPnP
- URL転送
- VLAN
- VRRP
- Web認証
- WiMAX
- コンフィグロールバック
- ネットイベント
- フィルタ
- ブリッジ
- モニタログ
- ワイモバイル
- 仮想スイッチ
- 冗長化
- 無線LAN