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NXR,VXRシリーズ
ルーティング編
4. BGP4設定
4-9. BGP+ネットイベント設定
この設定例では自AS側ルータの冗長化を行います。機器の冗長化にはVRRPを利用し、またネットイベント機能を利用することでBGPとVRRPを連携させることが可能です。さらに自AS側ルータから経路情報にMED値を設定して送信することで下りのトラフィック制御を行います。
【 構成図 】
<正常時>
<ルータNXR_AのWAN側障害時>
<ルータNXR_Aのethernet0インタフェースリンクダウン時>
- 正常時ルータNXR_AをVRRPのマスタルータ,NXR_Bをバックアップルータとします。
- 経路情報「192.168.10.0/24」を送信する際、ルータNXR_AはMED値を10に、NXR_BはMED値を100に設定します。
- ルータNXR_AのWAN側障害時、ルータNXR_AではBGP監視で障害検知後、VRRPの優先度を変更します。
- ルータNXR_Aのethernet0インタフェースリンクダウン時、ルータNXR_Aではリンク監視で障害検知後、BGPのアドバタイズルートを無効にします。
【 設定データ 】
〔NXR_Aの設定〕
設定項目 | 設定内容 | |||
---|---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_A | |||
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.1/24 | ||
VRRP | グループ | 1 | ||
IPアドレス | 192.168.10.254 | |||
プライオリティ | 254 | |||
プリエンプト | 有効 | |||
送信間隔 | 5秒 | |||
ネットイベント | No. | 1 | ||
プライオリティ | 50 | |||
WAN側インタフェース | ethernet1のIPアドレス | 10.10.10.1/30 | ||
BGP4 | 自AS番号 | 65000 | ||
ネットワーク | 192.168.10.0/24 | |||
ネイバー 10.10.10.2 | リモートAS番号 | 65100 | ||
ルートマップ | ルートマップ名 | MED10 | ||
適用方向 | out | |||
ネットイベント | No. | 2 | ||
動作 | advertise-stop | |||
IPルートアクセスリスト | ACL名 | med | ||
med | 動作 | 許可 | ||
プレフィックス | 192.168.10.0/24 | |||
ルートマップ | ルートマップ名 | MED10 | ||
MED10 | マッチIPアドレス | med | ||
セットメトリック | 10 | |||
トラック | No.1 | 監視方式 | BGP監視 | |
ネイバーアドレス | 10.10.10.2 | |||
イニシャルタイムアウト | 30秒 | |||
No.2 | 監視方式 | リンク監視 | ||
インタフェース | ethernet0 | |||
FastFowarding | 有効 |
〔NXR_Bの設定〕
設定項目 | 設定内容 | |||
---|---|---|---|---|
ホスト名 | NXR_B | |||
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.2/24 | ||
VRRP | グループ | 1 | ||
IPアドレス | 192.168.10.254 | |||
プライオリティ | 100 | |||
プリエンプト | 有効 | |||
送信間隔 | 5秒 | |||
WAN側インタフェース | ethernet1のIPアドレス | 10.10.20.1/30 | ||
BGP4 | 自AS番号 | 65000 | ||
ネットワーク | 192.168.10.0/24 | |||
ネイバー 10.10.20.2 | リモートAS番号 | 65100 | ||
ルートマップ | ルートマップ名 | MED100 | ||
適用方向 | out | |||
IPルートアクセスリスト | ACL名 | med | ||
med | 動作 | 許可 | ||
プレフィックス | 192.168.10.0/24 | |||
ルートマップ | ルートマップ名 | MED100 | ||
MED100 | マッチIPアドレス | med | ||
セットメトリック | 100 | |||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
〔NXR_Aの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr230(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#track 1 bgp neighbor 10.10.10.2 initial-timeout 30
NXR_A(config)#track 2 interface ethernet 0
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 priority 254
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 netevent 1 priority 50
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address 10.10.10.1/30
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#ip route access-list med permit 192.168.10.0/24
NXR_A(config)#route-map MED10 permit 1
NXR_A(config-route-map)#match ip address med
NXR_A(config-route-map)#set metric 10
NXR_A(config-route-map)#exit
NXR_A(config)#router bgp 65000
NXR_A(config-router)#network 192.168.10.0/24
NXR_A(config-router)#neighbor 10.10.10.2 remote-as 65100
NXR_A(config-router)#neighbor 10.10.10.2 route-map MED10 out
NXR_A(config-router)#netevent 2 advertise-stop
NXR_A(config-router)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config
〔NXR_Bの設定〕
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr230(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.10.2/24
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 address 192.168.10.254
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 priority 100
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address 10.10.20.1/30
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#ip route access-list med permit 192.168.10.0/24
NXR_B(config)#route-map MED100 permit 1
NXR_B(config-route-map)#match ip address med
NXR_B(config-route-map)#set metric 100
NXR_B(config-route-map)#exit
NXR_B(config)#router bgp 65000
NXR_B(config-router)#network 192.168.10.0/24
NXR_B(config-router)#neighbor 10.10.20.2 remote-as 65100
NXR_B(config-router)#neighbor 10.10.20.2 route-map MED100 out
NXR_B(config-router)#exit
NXR_B(config)#fast-forwarding enable
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config
【 設定例解説 】
〔NXR_Aの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <トラック1設定(BGP監視)>
BGP監視設定をトラックNo.1に登録します。指定したBGPピアとのネイバー確立後、他のステートへ変化した場合トラックはダウン状態へと遷移します。またイニシャルタイムアウトを30秒に設定します。
(☞) BGP監視設定時、初期のトラック状態はイニット(init)でBGPピアとのネイバーが確立するとトラックはアップ状態になります。しかしBGPピアとのネイバーが確立していない場合、すぐにトラックはダウン状態にはなりません。そのため設定したタイムアウト時間経過後トラックをダウン状態にするために、イニシャルタイムアウトを設定します。
3. <トラック2設定(リンク監視)>
リンク監視設定をトラックNo.2に登録します。ethernet0インタフェースのリンクダウン後、トラックはダウン状態へと遷移します。
4. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 priority 254
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_A(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
VRRPグループ1の仮想IPアドレス、プライオリティを設定します。またプリエンプトを有効にします。
そしてアドバタイズの送信間隔を設定します。
(☞) トラフィックが多いネットワークの場合、VRRPアドバタイズの送信間隔を大きい値に設定することで動作が安定する場合があります。
ネットイベントを設定します。
この設定はtrackコマンドで指定した監視方法で障害を検知した場合に実行する動作を指定したものです。ここではtrack 1コマンドで指定したBGP監視で障害(他のステートへの変化)を検知した場合、VRRPグループ1のプライオリティを50に変更します。
5. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
NXR_A(config-if)#ip address 10.10.10.1/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
6. <IPルートアクセスリスト設定>
IPルートアクセスリスト名をmedとし、IPアドレス192.168.10.0/24を登録します。
(☞) この設定はルートマップ設定のマッチ条件で使用します。
7. <ルートマップ設定>
ルートマップ名をMED10とし、No.1のルールを作成します。
マッチ条件として、IPルートアクセスリストで設定したmedを設定します。
該当条件にマッチした場合、メトリック値に10を設定します。
8. <BGP4設定>
BGP4を有効にし、自AS番号を65000に設定します。
BGPでアドバタイズするネットワークアドレスを設定します。
BGPピア(ルータ1)のIPアドレスおよびAS番号を設定します。
BGPピア(ルータ1)に作成したルートマップMED10を適用します。また送信する経路情報に適用するためoutを指定します。
ネットイベントを設定します。
ここではtrack 2コマンドで指定したリンク監視で障害(ethernet0インタフェースダウン)を検知した場合、BGPのアドバタイズルートを無効にします。
9. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR ,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
〔NXR_Bの設定〕
1. <ホスト名の設定>
ホスト名を設定します。
2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.10.2/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 priority 100
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 preempt
NXR_B(config-if)#vrrp ip 1 timers advertise 5
VRRPグループ1の仮想IPアドレス、プライオリティを設定します。またプリエンプトを有効にします。
そしてアドバタイズの送信間隔を設定します。
3. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
NXR_B(config-if)#ip address 10.10.20.1/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
4. <IPルートアクセスリスト設定>
IPルートアクセスリスト名をmedとし、IPアドレス192.168.10.0/24を登録します。
(☞) この設定はルートマップ設定のマッチ条件で使用します。
5. <ルートマップ設定>
ルートマップ名をMED100とし、No.1のルールを作成します。
マッチ条件として、IPルートアクセスリストで設定したmedを設定します。
該当条件にマッチした場合、メトリック値に100を設定します。
6. <BGP4設定>
BGP4を有効にし、自AS番号を65000に設定します。
BGPでアドバタイズするネットワークアドレスを設定します。
BGPピア(ルータ2)のIPアドレスおよびAS番号を設定します。
BGPピア(ルータ1)に作成したルートマップMED100を適用します。また送信する経路情報に適用するためoutを指定します。
7. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。
【 端末の設定例 】
IP アドレス | 192.168.10.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.254 |
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