FutureNet
NXR,VXRシリーズ
ルーティング編
4. BGP4設定
4-5. ASパスプリペンド設定
AS_PATH属性はASを通過する毎に記録され、通常ベストパスを選択する際にはASパスが短い方が優先されます。
ASパスプリペンド設定は下りのトラフィック制御に用いられ、通常自AS番号をASパスに追加しますが、意図的に複数のAS番号を追加することでASパスを長くすることができます。
【 構成図 】
- AS65100に経路情報「192.168.10.0/24」を送信する際、ASパスに「65000 65000」を設定します。
【 設定データ 】
設定項目 | 設定内容 | |||
---|---|---|---|---|
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.1/24 | ||
WAN側インタフェース | ethernet1のIPアドレス | 10.10.10.1/30 | ||
ethernet2のIPアドレス | 10.10.20.1/30 | |||
BGP4 | 自AS番号 | 65000 | ||
ネットワーク | 192.168.10.0/24 | |||
ネイバー 10.10.10.2 | リモートAS番号 | 65100 | ||
ルートマップ | ルートマップ名 | add_AS-PATH | ||
適用方向 | out | |||
ネイバー 10.10.20.2 | リモートAS番号 | 65200 | ||
IPルートアクセスリスト | ACL名 | add_as-path | ||
add_as-path | 動作 | 許可 | ||
プレフィックス | 192.168.10.0/24 | |||
ルートマップ | ルートマップ名 | add_AS-PATH | ||
add_ASPATH | マッチIPアドレス | add_as-path | ||
セットASパスプリペンド | 65000 65000 | |||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr230(config)#interface ethernet 0
nxr230(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxr230(config-if)#exit
nxr230(config)#interface ethernet 1
nxr230(config-if)#ip address 10.10.10.1/30
nxr230(config-if)#exit
nxr230(config)#interface ethernet 2
nxr230(config-if)#ip address 10.10.20.1/30
nxr230(config-if)#exit
nxr230(config)#ip route access-list add_as-path permit 192.168.10.0/24
nxr230(config)#route-map add_AS-PATH permit 1
nxr230(config-route-map)#match ip address add_as-path
nxr230(config-route-map)#set as-path prepend 65000 65000
nxr230(config-route-map)#exit
nxr230(config)#router bgp 65000
nxr230(config-router)#network 192.168.10.0/24
nxr230(config-router)#neighbor 10.10.10.2 remote-as 65100
nxr230(config-router)#neighbor 10.10.10.2 route-map add_AS-PATH out
nxr230(config-router)#neighbor 10.10.20.2 remote-as 65200
nxr230(config-router)#exit
nxr230(config)#fast-forwarding enable
nxr230(config)#exit
nxr230#save config
【 設定例解説 】
1. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
nxr230(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
2. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>
nxr230(config-if)#ip address 10.10.10.1/30
ethernet1インタフェースのIPアドレスを設定します。
3. <WAN側(ethernet2)インタフェース設定>
nxr230(config-if)#ip address 10.10.20.1/30
ethernet2インタフェースのIPアドレスを設定します。
4. <IPルートアクセスリスト設定>
IPルートアクセスリスト名をadd_as-pathとし、IPアドレス192.168.10.0/24を登録します。
(☞) この設定はルートマップ設定のマッチ条件で使用します。
5. <ルートマップ設定>
ルートマップ名をadd_AS-PATHとし、No.1のルールを作成します。
マッチ条件として、IPルートアクセスリストで設定したadd_as-pathを設定します。
該当条件にマッチした場合、ASパスに「65000 65000」を追加します。
6. <BGP4設定>
BGP4を有効にし、自AS番号を65000に設定します。
BGPでアドバタイズするネットワークアドレスを設定します。
BGPピア(AS65100)のIPアドレスおよびAS番号を設定します。
BGPピア(AS65100)に作成したルートマップを適用します。また送信する経路情報に適用するためoutを指定します。
BGPピア(AS65200)のIPアドレスおよびAS番号を設定します。
7. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR ,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
【 端末の設定例 】
IP アドレス | 192.168.10.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 |
【 補足1 】
この設定例はマルチホーム接続となっており、BGPピアから受信した経路情報を他方のBGPピアに対して通知するトランジットASとなっています。それに対し他のASから受信した経路情報を通知せず、自ASの経路情報のみ通知するASとして非トランジットASがあります。非トランジットASとして利用するためには経路フィルタを設定します。
<経路フィルタ設定(AS番号)>
ASパスアクセスリストで自ASで発生したもののみを許可します。
(☞) 「^$」は正規表現で自ASで発生したものを意味します。
(config-router)#neighbor [BGPネイバーアドレス] filter-list [ACL名] out
ASパスアクセスリスト設定で定義したACLをネイバールータへの送信時に適用します。
【 補足2 】
BGPのベストパス選択決定時にAS_PATH属性を無視するよう設定することができます。
<bestpath as-path ignore設定>
(config-router)#bgp bestpath as-path ignore
ベストパス選択時にAS_PATH属性を無視します。
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