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NXR,VXRシリーズ

データコネクト編

1. TCPモード設定

1-1. データコネクト接続設定(TCPモード)

データコネクトはフレッツ光ネクストのひかり電話を契約している場合に使用することができる帯域確保型のデータ通信サービスで、2拠点間での任意のデータ通信をオンデマンドで行うことができます。この設定例ではデータコネクトを使い、TCPモードのデータ通信を行います。

【構成図】

この例では端末Aと端末Bの間でデータコネクトによるTCP接続を行います。そして端末Bが待ち受けるTCPポート番号を10000、データコネクト接続用にルータNXR_Aが待ち受けるLAN側のTCPポート番号を20000とします。
(☞) VPNモードは未対応です。
ルータNXR_Aではデータコネクトと合わせてPPPoEによるインターネット接続も行います。
ルータとNGN回線を接続するにあたり、ルータをホームゲートウェイ配下に設置して使用することはできません。
データコネクトの同時接続数は「1」です。複数チャネルには対応していません。
データコネクトの着信側では発信者の電話番号を使って発信元を認証します。よって着信側では「ナンバーディスプレイ」オプションの契約が必要です。
本機では常に発信者番号を通知して発信します。番号非通知で発信することはできません。
(☞) 発信時のプライバシーヘッダは常にnoneが設定されます。
データコネクトは従量制のサービスです。よって通信時間に応じて課金されますのでご注意ください。

【設定データ】

〔NXR_Aの設定〕

設定項目					設定内容
ホスト名					NXR_A
LAN側インタフェース	ethernet0のIPアドレス				192.168.10.1/24
WAN側インタフェース	ppp0	PPPoEクライアント(ethernet1)			ppp0
		ppp0のIPアドレス			動的IPアドレス
		IPマスカレード			有効
		SPIフィルタ			有効
		TCP MSS自動調整			オート
		ISP接続用ユーザID			test1@example.jp
		ISP接続用パスワード			test1pass
	ethernet1	ethernet1のIPアドレス			動的IPアドレス
		DHCPモード			ngn
		classless-static-route			有効
		IPマスカレード			有効
		QoS	キューイング		クラスポリシ
			クラスポリシ名		ngn
			帯域幅		100Mbps(100000kbps)
スタティックルート	宛先IPアドレス				0.0.0.0/0
スタティックルート	ゲートウェイ(インタフェース)				ppp0
クラスフィルタ	クラスナンバ				10
	クラス10		マッチ条件		184(tos)
	クラスナンバ				20
	クラス20		マッチ条件		32(tos)
クラスポリシ	ポリシ名				ngn
	ngn	No.1	クラス		10
			帯域幅		64kbps
			優先度		0
		No.2	クラス		20
			帯域幅		64kbps
			キューイング方式		shape
			shape	トークン補充レート	64kbps
				バケットサイズ	1524バイト
				最大キューサイズ	1524バイト
		No.3	クラス		デフォルト
		No.3	帯域幅		100000kbps
データコネクト用クライアント	接続先電話番号				0XXX222222
	LAN側IPアドレス				192.168.10.1
	監視TCPポート				20000
LED	status2				網輻輳時点灯
DNS	サービス				有効
FastFowarding					有効

〔NXR_Bの設定〕

設定項目					設定内容
ホスト名					NXR_B
LAN側インタフェース	ethernet0のIPアドレス				192.168.10.1/24
WAN側インタフェース	ethernet1のIPアドレス				動的IPアドレス
	DHCPモード				ngn
	IPマスカレード				有効
	QoS	キューイング			クラスポリシ
		クラスポリシ名			ngn
		帯域幅			100Mbps(100000kbps)
クラスフィルタ	クラスナンバ				10
	クラス10		マッチ条件		184(tos)
	クラスナンバ				20
	クラス20		マッチ条件		32(tos)
クラスポリシ	ポリシ名				ngn
	ngn	No.1	クラス		10
			帯域幅		64kbps
			優先度		0
		No.2	クラス		20
			帯域幅		64kbps
			キューイング方式		shape
			shape	トークン補充レート	64kbps
				バケットサイズ	1524バイト
				最大キューサイズ	1524バイト
		No.3	クラス		デフォルト
		No.3	帯域幅		100000kbps
データコネクト用サーバ	発信元電話番号				0XXX111111
	LAN内の端末のIPアドレス				192.168.10.200
	TCPポート				10000
LED	status2				網輻輳時点灯

【設定例】

〔NXR_Aの設定〕

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_A
NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0
NXR_A(config)#class filter 10
NXR_A(config-class-filter)#match ip tos 184
NXR_A(config-class-filter)#exit
NXR_A(config)#class filter 20
NXR_A(config-class-filter)#match ip tos 32
NXR_A(config-class-filter)#exit
NXR_A(config)#class policy ngn
NXR_A(config-class-policy)#class 10 bandwidth 64 priority 0
NXR_A(config-class-policy)#class 20 bandwidth 64 queue shape 64 1524 1524
NXR_A(config-class-policy)#class default bandwidth 100000
NXR_A(config-class-policy)#exit
NXR_A(config)#ppp account username test1@example.jp password test1pass
NXR_A(config)#interface ppp 0
NXR_A(config-ppp)#ip address negotiated
NXR_A(config-ppp)#ip masquerade
NXR_A(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_A(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
NXR_A(config-ppp)#ppp username test1@example.jp
NXR_A(config-ppp)#exit
NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address dhcp
NXR_A(config-if)#ip dhcp mode ngn
NXR_A(config-if)#ip dhcp request classless-static-route
NXR_A(config-if)#ip masquerade
NXR_A(config-if)#queue policy ngn bandwidth 100000
NXR_A(config-if)#pppoe-client ppp 0
NXR_A(config-if)#exit
NXR_A(config)#ngn-sip client 1
NXR_A(config-ngn-client)#tel to 0XXX222222
NXR_A(config-ngn-client)#mode tcp ip 192.168.10.1 port 20000
NXR_A(config-ngn-client)#exit
NXR_A(config)#system led status 2 ngn-sip congestion
NXR_A(config)#dns
NXR_A(config-dns)#service enable
NXR_A(config-dns)#exit
NXR_A(config)#fast-forwarding enable
NXR_A(config)#exit
NXR_A#save config

〔NXR_Bの設定〕

nxrg100#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxrg100(config)#hostname NXR_B
NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#class filter 10
NXR_B(config-class-filter)#match ip tos 184
NXR_B(config-class-filter)#exit
NXR_B(config)#class filter 20
NXR_B(config-class-filter)#match ip tos 32
NXR_B(config-class-filter)#exit
NXR_B(config)#class policy ngn
NXR_B(config-class-policy)#class 10 bandwidth 64 priority 0
NXR_B(config-class-policy)#class 20 bandwidth 64 queue shape 64 1524 1524
NXR_B(config-class-policy)#class default bandwidth 100000
NXR_B(config-class-policy)#exit
NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address dhcp
NXR_B(config-if)#ip dhcp mode ngn
NXR_B(config-if)#ip masquerade
NXR_B(config-if)#queue policy ngn bandwidth 100000
NXR_B(config-if)#exit
NXR_B(config)#ngn-sip server 1
NXR_B(config-ngn-server)#tel from 0XXX111111
NXR_B(config-ngn-server)#mode tcp ip 192.168.10.200 port 10000
NXR_B(config-ngn-server)#exit
NXR_B(config)#system led status 2 ngn-sip congestion
NXR_B(config)#exit
NXR_B#save config

【設定例解説】

〔NXR_Aの設定〕

1. <ホスト名の設定>

nxrg100(config)#hostname NXR_A

ホスト名を設定します。

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

NXR_A(config)#interface ethernet 0
NXR_A(config-if)#ip address 192.168.10.1/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

3. <スタティックルート設定>

NXR_A(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0

デフォルトルートを設定します。

4. <クラスフィルタ設定>

NXR_A(config)#class filter 10
NXR_A(config-class-filter)#match ip tos 184

DSCP値=46のパケットをクラス10に割り当てるように設定します。
(☞) SIP/DHCPパケットはDSCP値=46で送信されます。

NXR_A(config)#class filter 20
NXR_A(config-class-filter)#match ip tos 32

DSCP値=8のパケットをクラス20に割り当てるように設定します。
(☞) データパケット(TCP)はDSCP値=8で送信されます。

5. <クラスポリシ設定>

NXR_A(config)#class policy ngn

クラスポリシ名としてngnを設定します。

NXR_A(config-class-policy)#class 10 bandwidth 64 priority 0

クラス10の帯域幅を設定します。また最優先クラスになるように優先度を設定します。
(☞) bandwidthはデータコネクト用の帯域で64kbps固定となります。

NXR_A(config-class-policy)#class 20 bandwidth 64 queue shape 64 1524 1524

クラス20の帯域幅を設定します。なお帯域幅が64kbpsの場合、トークン補充レート64kbps,バケットサイズ1524バイト,最大キューサイズ1524バイトのシェーピングを設定します。

NXR_A(config-class-policy)#class default bandwidth 100000

デフォルトクラスの帯域幅を設定します。
(☞) bandwidthはリンク速度(100Mbps)と同じ値にします。

6. <PPPアカウント設定>

NXR_A(config)#ppp account username test1@example.jp password test1pass

ppp0インタフェースで使用するISP接続用ユーザID,パスワードを設定します。
(☞) ここで設定したアカウントはppp0インタフェースの設定で利用します。

7. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>

NXR_A(config)#interface ppp 0
NXR_A(config-ppp)#ip address negotiated

ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスのためnegotiatedを設定します。

NXR_A(config-ppp)#ip masquerade
NXR_A(config-ppp)#ip spi-filter
NXR_A(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto

IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。またTCP MSSの調整機能をオートに設定します。

NXR_A(config-ppp)#ppp username test1@example.jp

ISP接続用ユーザIDを設定します。

8. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>

NXR_A(config)#interface ethernet 1
NXR_A(config-if)#ip address dhcp
NXR_A(config-if)#ip dhcp mode ngn

ethernet1インタフェースのIPアドレスをDHCPで取得します。またDHCPクライアントの動作モードをngnに設定します。

NXR_A(config-if)#ip dhcp request classless-static-route

NGN網へのルーティング情報をDHCPで取得するように設定します。
(☞) この設定はデータコネクト接続とPPPoEによるインターネット接続を併用する場合に必要な設定です。
(☞) 取得したスタティックルートはPPPoEへのデフォルトルートよりも優先されます。

NXR_A(config-if)#ip masquerade

IPマスカレードを有効に設定します。

NXR_A(config-if)#queue policy ngn bandwidth 100000

出力インタフェースのキューイング方式としてクラスポリシを指定し、クラスポリシ名および帯域幅を設定します。
(☞) 帯域幅の単位はkbpsになります。またbandwidthはリンク速度(100Mbps)と同じ値に設定します。

NXR_A(config-if)#pppoe-client ppp 0

PPPoEクライアントとしてppp0インタフェースを使用できるように設定します。

9. <データコネクト用クライアント設定>

NXR_A(config)#ngn-sip client 1

データコネクト用クライアントを設定します。

NXR_A(config-ngn-client)#tel to 0XXX222222

データコネクトの接続先の電話番号を設定します。

NXR_A(config-ngn-client)#mode tcp ip 192.168.10.1 port 20000

TCPアクセスを監視するIPアドレス、およびポート番号を指定します。
(☞) 指定したTCPポート番号宛てのパケット検知後データコネクト接続を開始します。

10. <LED設定>

NXR_A(config)#system led status 2 ngn-sip congestion

NGN網のSIP輻輳時にLED通知するように設定します。
(☞) NGN網内のSIPサーバが輻輳している場合、データコネクト接続ができない状態になります。

11. <DNS設定>

NXR_A(config)#dns
NXR_A(config-dns)#service enable

DNSサービスを有効にします。

12. <ファストフォワーディングの有効化>

NXR_A(config)#fast-forwarding enable

ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。

〔NXR_Bの設定〕

1. <ホスト名の設定>

nxrg100(config)#hostname NXR_B

ホスト名を設定します。

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

NXR_B(config)#interface ethernet 0
NXR_B(config-if)#ip address 192.168.10.1/24

ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。

3. <クラスフィルタ設定>

NXR_B(config)#class filter 10
NXR_B(config-class-filter)#match ip tos 184

DSCP値=46のパケットをクラス10に割り当てるように設定します。

NXR_B(config)#class filter 20
NXR_B(config-class-filter)#match ip tos 32

DSCP値=8のパケットをクラス20に割り当てるように設定します。

4. <クラスポリシ設定>

NXR_B(config)#class policy ngn

クラスポリシ名としてngnを設定します。

NXR_B(config-class-policy)#class 10 bandwidth 64 priority 0

NXR_B(config-class-policy)#class 20 bandwidth 64 queue shape 64 1524 1524

NXR_B(config-class-policy)#class default bandwidth 100000

デフォルトクラスの帯域幅を設定します。

5. <ethernet1インタフェース設定>

NXR_B(config)#interface ethernet 1
NXR_B(config-if)#ip address dhcp
NXR_B(config-if)#ip dhcp mode ngn

ethernet1インタフェースのIPアドレスをDHCPで取得します。またDHCPクライアントの動作モードをngnに設定します。

NXR_B(config-if)#ip masquerade

IPマスカレードを有効に設定します。

NXR_B(config-if)#queue policy ngn bandwidth 100000

出力インタフェースのキューイング方式としてクラスポリシを指定し、クラスポリシ名および帯域幅を設定します。

6. <データコネクト用サーバ設定>

NXR_B(config)#ngn-sip server 1

データコネクト用サーバを設定します。

NXR_B(config-ngn-server)#tel from 0XXX111111

データコネクトの発信元の電話番号を設定します。

NXR_B(config-ngn-server)#mode tcp ip 192.168.10.200 port 10000

指定した発信元からの着信を接続させるLAN内の端末のIPアドレスとTCPポート番号を設定します。

7. <LED設定>

NXR_B(config)#system led status 2 ngn-sip congestion

NGN網のSIP輻輳時にLED通知するように設定します。

【端末の設定例】

	端末A	端末B
IPアドレス	192.168.10.100	192.168.10.200
サブネットマスク	255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ	192.168.10.1	192.168.10.1
DNSサーバ	192.168.10.1	－

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NXR,VXRシリーズ

データコネクト編

【構成図】

【設定データ】

〔NXR_Aの設定〕

〔NXR_Bの設定〕

【設定例】

〔NXR_Aの設定〕

〔NXR_Bの設定〕

【設定例解説】

〔NXR_Aの設定〕

1. <ホスト名の設定>

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

3. <スタティックルート設定>

4. <クラスフィルタ設定>

5. <クラスポリシ設定>

6. <PPPアカウント設定>

7. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>

8. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>

9. <データコネクト用クライアント設定>

10. <LED設定>

11. <DNS設定>

12. <ファストフォワーディングの有効化>

〔NXR_Bの設定〕

1. <ホスト名の設定>

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

3. <クラスフィルタ設定>

4. <クラスポリシ設定>

5. <ethernet1インタフェース設定>

6. <データコネクト用サーバ設定>

7. <LED設定>

【端末の設定例】

目次

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NXR,VXRシリーズ

データコネクト編

【 構成図 】

【 設定データ 】

〔NXR_Aの設定〕

〔NXR_Bの設定〕

【 設定例 】

〔NXR_Aの設定〕

〔NXR_Bの設定〕

【 設定例解説 】

〔NXR_Aの設定〕

1. <ホスト名の設定>

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

3. <スタティックルート設定>

4. <クラスフィルタ設定>

5. <クラスポリシ設定>

6. <PPPアカウント設定>

7. <WAN側(ppp0)インタフェース設定>

8. <WAN側(ethernet1)インタフェース設定>

9. <データコネクト用クライアント設定>

10. <LED設定>

11. <DNS設定>

12. <ファストフォワーディングの有効化>

〔NXR_Bの設定〕

1. <ホスト名の設定>

2. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>

3. <クラスフィルタ設定>

4. <クラスポリシ設定>

5. <ethernet1インタフェース設定>

6. <データコネクト用サーバ設定>

7. <LED設定>

【 端末の設定例 】

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【設定例解説】

【端末の設定例】